ニュース速報

ワールド

情報BOX:トランプ氏側近の「ロシア・コネクション」

2017年07月14日(金)11時48分

7月13日、トランプ米大統領の長男、ドナルド・トランプ・ジュニア氏は、2016年6月にヒラリー・クリントン氏の情報を持っているかもしれないロシア政府の弁護士という触れ込みの女性を紹介され、面会に同意したことを11日に明らかにした。写真はトランプ氏(左)とトランプ・ジュニア氏。ニューヨーク州ハンプステッドで2016年9月撮影(2017年 ロイター)

[ワシントン 13日 ロイター] - トランプ米大統領の長男、ドナルド・トランプ・ジュニア氏は、2016年6月に大統領選で父親の対立候補だったヒラリー・クリントン氏の情報を持っているかもしれないロシア政府の弁護士という触れ込みの女性を紹介され、面会に同意したことを11日、明らかにした。

ジュニア氏は当初、この面会は養子縁組制度についてのものだと説明していた。

トランプ大統領は5月にツイッターで、大統領選期間中のトランプ陣営とロシア政府との癒着の可能性を調べている司法省と米議会の捜査について、「魔女狩りだ」と発言している。

トランプ氏の側近の何人かは、ロシアの政府高官や、同国政府とつながりがある人物との接触について、不完全もしくは不正確な説明をしている。これまで判明した事実を整理した。

●ドナルド・トランプ・ジュニア氏

39歳になるトランプ大統領の長男は11日、問題のロシア人弁護士ナタリア・ベセルニツカヤ氏との面会を取り持ったパブリシストのロブ・ゴールドストーン氏とやり取りした2016年6月3日付の電子メールをツイッター上で公表。

ゴールドストーン氏は同メールで、ベセルニツカヤ氏について、「ロシア政府の弁護士」で、「クリントン氏に不利となる公式文書や情報」をトランプ陣営に提供することを申し出ており、「あなたのお父さんに非常に役立つだろう」と述べている。民主党候補だったクリントン氏は、2016年11月の大統領選でトランプ氏に敗れた。

ベセルニツカヤ氏は、自分は民間弁護士だとして、ロシア政府との関係を否定している。

トランプ・ジュニア氏は同メールに対し、「それが本当なら大歓迎だ」と返信。トランプ・ジュニア氏は同年6月9日、現大統領上級顧問でトランプ氏の娘婿であるジャレッド・クシュナー氏、当時のトランプ選対本部長だったポール・マナフォート氏も同席し、ニューヨークのトランプ・タワーでベセルニツカヤ氏と面会した。

トランプ・ジュニア氏は11日、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)から問題のメールについて記事を用意しているとしてコメントを求められたことを受け、ゴールドストーン氏と交わしたメールの公表に自ら踏み切った。

トランプ・ジュニア氏は当初、この面会について「挨拶程度の短い会合」で、子どもの養子縁組制度について話し合ったと説明していた。

NYT紙との3月のインタビューで、同氏は、ロシア人と会ったことは過去にあるが、選挙とは関係ないと語っていた。「事前に設定して会ったことはなかった。現段階で記憶にない。そして、いかなる形であれ、陣営を代表して面会したことはなかった」述べていた。

●ジェフ・セッションズ司法長官

セッションズ司法長官は、1月に開かれた議会の指名公聴会で、アル・フランケン上院議員(民主)から、トランプ氏側近が大統領選絡みでロシアの政府高官と接触した疑惑について追及を受けた。

セッションズ氏はこれに対し、「そうした行為は認識していない。選挙期間中、(トランプ氏の)代理人と呼ばれたことは数回あったが、ロシア人と接触したことはない」と答えた。

ホワイト・ハウスはその後、セッションズ氏が2016年に少なくとも2度、セルゲイ・キスリャク駐米露大使と会ったことを確認した。セッションズ氏は今年3月の記者会見で、これについて、上院議員の公式な立場での面会であり、選挙については議論しなかったため、公表しなかったと説明した。

この記者会見でセッションズ氏は、大統領選へのロシアの介入疑惑や、トランプ陣営との癒着の可能性を調べている司法省の捜査に、関与しない方針を表明した。現在ではロバート・モラー特別検察官が捜査を指揮している。

セッションズ氏は司法長官として議会承認を受けた後、機密情報などを扱うのに必要なセキュリティー・クリアランス(セキュリティー認証)を受けるための書類に、外国政府やその関係者との過去の接触を全て列挙するよう要請された。だがワシントンポスト氏は5月、セッションズ氏がロシア側との接触を一切申告していなかったと報じた。

●マイケル・フリン前大統領補佐官

フリン前大統領補佐官(国家安全保障担当)は2月、キスリャク大使との会話内容を正しく申告せず、マイク・ペンス副大統領に不正確な説明をしたとして、就任から1カ月足らずで辞任に追い込まれた。

退役中将であるフリン氏は、2016年にセキュリティー認証を更新した際、国防総省の調査担当者に、外国政府関係者との接触について不正確な説明をした可能性があることが、ロシアの選挙介入とトランプ陣営との癒着の疑いに関する議会調査で確認された書類で明らかになった。

フリン氏は、セキュリティー認証のための聞き取り調査で、民間人として行った外国旅行は全て米国の民間企業により支払われたと説明した。だが実際は、米政府がロシア政府のプロパガンダ機関とみなしている政府系テレビ局のロシア・トゥデイが、フリン氏の2015年のモスクワ訪問の旅費を出していた。フリン氏はその際の夕食会で、プーチン大統領の隣に座ったことが、米議会民主党が5月に公表した資料で明らかになっている。

●ジャレッド・クシュナー大統領上級顧問

トランプ氏の長女イバンカさんの夫でもあるクシュナー大統領上級顧問も、セキュリティー認証を受ける際に、ロシア政府高官との接触を明らかにしていなかったと、NYT紙が4月に報じた。

ホワイト・ハウスは3月、クシュナー氏が、キスリャク氏と2016年4月にワシントンで、さらに同年12月にニューヨークのトランプ・タワーで面会したことを明らかにした。ホワイト・ハウスは、12月の面会は「連絡手段を確立するため」だったと説明。クシュナー氏はまた、セキュリティー認証書類に、政府系金融機関であるロシア開発対外経済銀行(VEB)との接触を記載していなかった。

さらにクシュナー氏は、キスリャク大使と2016年4月─11月の期間に電話で接触していたことが、ロイターの報道で判明している。クシュナー氏の弁護士ジェイミー・ゴーリック氏は、この時期のクシュナー氏は無数の電話協議をこなしていたため、キスリャク氏との電話について「何も記憶にない」と述べた。

クシュナー氏は、2016年6月のトランプ・ジュニア氏とベセルニツカヤ氏の面会に一部同席したことが、トランプ・ジュニア氏が公表したメールから明らかになっている。

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米政府の代表団乗せた飛行機、パキスタンに到着 イラ

ビジネス

経産省、ラピダスへの6315億円の追加支援決定 総

ワールド

宇宙船オリオン、4人乗せ地球に無事帰還 月の裏側を

ワールド

アングル:イラン戦争でインフレ再燃、トランプ政権に
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国防軍は崩壊寸前」
  • 4
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 5
    目のやり場に困る...元アイスホッケー女性選手の「密…
  • 6
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 7
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦に…
  • 8
    「仕事ができる人」になる、ただ1つの条件...「頑張…
  • 9
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 10
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 4
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 7
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 8
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 9
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 10
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中