FRBのバランスシート調整は順調、4月過ぎればTビル購入規模縮小か
メキシコ・シウダーフアレスの両替所。2023年7月27日撮影。REUTERS/Jose Luis Gonzalez
Michael S. Derby
[18日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は、米国・イスラエルによるイラン攻撃や、より幅広い経済情勢のために金融政策の判断が難しくなっている。ただ、バランスシート調整の問題だけは順調に対応が進んでいる。
複数の市場参加者の話では、4月の納税集中期間に向けて昨年12月に開始した短期国債(Tビル)の購入はその後予定通り規模が縮小された。同時に、FRBの保有債券の平均償還年限(デュレーション)の軌道修正を巡る取り組みも進展しつつある。
毎月約400億ドルのTビル買い入れは、大量の納税で市場から資金が吸収されても、FRBが短期金利を誘導目標圏内で安定させるため潤沢な流動性を供給する。Tビルを保有し、債券のデュレーションを米国債市場全体の状況により近づけることが狙いだ。
TDセキュリティーズの米金利戦略責任者を務めるジェナディー・ゴールドバーグ氏は「FRBは総じて目標を達成しており、納税時期が過ぎれば経済成長率に合わせて(Tビル)購入ペースを落とすだろう」と述べた。
ゴールドバーグ氏によると、Tビル買い入れ毎月約200億ドルに減額され、保有債券の満期償還金が引き続きTビルに再投資される見込みだ。
こうした調整についてゴールドバーグ氏は、FRBのバランスシートを経済成長と整合的に拡大させる流れを維持し、デュレーションの短期化を促すと説明した。デュレーションの短期化により、FRBの米国債市場における存在感も後退する。
ただ、デュレーションの正常化は、コロナ禍に大量の長期債を買い入れた影響で時間がかかりそうだ。
カンザスシティー地区連銀のシュミッド総裁は先月、FRBが保有する債券のデュレーションは約8年半から9年である一方、米国債市場はおよそ5年から5年半で、この差が市場機能にゆがみを生み出して特に住宅ローン金利を本来の水準より75-100ベーシスポイント(bp)押し下げる形で顕在化しているとの見方を示した。
LHマイヤーのアナリスト、デレク・タン氏は、現在のFRBによる長期債から短期債への資産シフト状況の見通しを踏まえると、保有債券に占めるTビルの比率が再び約33%に接近するにはあと2-3年が必要になるとみている。
それでもタン氏は、FRBは満期償還金のTビルへの再投資方針を堅持し、積極的に長期債を売ってTビル購入に動くとは予想していない。





