ニュース速報

ビジネス

大手金融、運用力向上や体制強化を=資産運用立国で岸田首相

2023年10月02日(月)17時56分

 10月2日、岸田文雄首相(写真)は、資産運用会社を抱える大手金融グループに対し、運用力の向上やガバナンス(企業統治)改革・体制強化を求めていくことを明らかにした。都内で9月代表撮影(2023年 ロイター)

Ritsuko Shimizu

[東京 2日 ロイター] - 岸田文雄首相は、資産運用会社を抱える大手金融グループに対し、運用力の向上やガバナンス(企業統治)改革・体制強化を求めていくことを明らかにした。さらに、来年夏をめどに年金基金や生保などの機関投資家に求められる役割を明確化する方針も示した。

2日に開かれた日経サステナブルフォーラムで述べた。

政府は、新たな資本主義実現会議の下に「資産運用立国分科会」を設立する。4日に初会合を開き、年内に運用力向上や体制強化に関して政策プランを策定する。運用会社を傘下に持つ銀行や証券会社、保険会社など大手金融グループに求めていく内容は今後検討していくが、法律などで縛ることは難しく、強制力を持つものにはならない見通し。

運用を委託されている機関投資家の役割では、最善の利益をもたらす資産運用会社の選択や運用内容の見える化などを求めていく。規模が大きくない企業年金については、確定給付企業年金向けの共同運用も進める。

岸田首相は「目指す資産運用業の姿は、国内外の優れた事業者や人材が日本に集まり、競い合って専門性と運用能力を高め、家計を含む投資家により良い商品やサービスを提供することだ」と強調した。

また、20兆円規模で国が発行するトランジション・ボンドを「クライメート・トランジション・ボンド」として発行すると紹介。知的財産の創出に向けたイノベーション投資やその産業化を促すため、特許などの所得に対する減税制度の創設の検討を進める、とも語った。

岸田首相は9月にニューヨークで行った講演で、資産運用業の強化を打ち出した。この中では、日本独自のビジネス慣行や参入障壁の是正、バックオフィス業務のアウトソーシングを可能とする規制緩和の実施などを表明した。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、大麻規制緩める大統領令に近く署名か 米

ワールド

ウクライナ、東部要衝都市を9割掌握と発表 ロシアは

ビジネス

ウォラーFRB理事「中銀独立性を絶対に守る」、大統

ワールド

米財務省、「サハリン2」の原油販売許可延長 来年6
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】「日の丸造船」復権へ...国策で関連銘柄が軒…
  • 9
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 10
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 10
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中