ニュース速報

ビジネス

FRBの「仕事終わっていない」、インフレ鈍化初期の兆候も=NY連銀総裁

2022年10月04日(火)04時55分

米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は3日、インフレ鈍化の初期の兆しが存在するものの、基調的な物価圧力は依然高すぎるとし、連邦準備理事会(FRB)はインフレ抑制に向けた取り組みを継続する必要があるという見解を示した。(2022年 ロイター/Chris Wattie)

[ニューヨーク 3日 ロイター] - 米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は3日、インフレ鈍化の初期の兆しが存在するものの、基調的な物価圧力は依然高すぎるとし、連邦準備理事会(FRB)はインフレ抑制に向けた取り組みを継続する必要があるという見解を示した。

ウィリアムズ総裁は「インフレは明らかに高すぎる。根強い高インフレは、経済が潜在能力をフルに発揮する能力を損なう」とし、「金融引き締めが需要を減速させ、インフレ圧力は低下し始めているが、われあれの仕事は終わっていない」と語った。

次回米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策決定見通しには言及しなかったものの、FRBはインフレを目標2%に回帰させるために、需要を減速させる行動を続けると述べた

さらに、経済成長の伸び鈍化と失業率の上昇は、FRBのインフレ対応の副反応である公算が大きいとし、経済活動は今年ほぼ横ばいに、来年は小幅な成長にとどまり、失業率は2023年末までに現在の3.7%から4.5%に上昇する可能性が高いという見通しを示した。

ウィリアムズ総裁は、コモディティー(商品)価格など一部分野ではインフレが低下しているとしつつも、モノへの需要は非常に旺盛で、労働需要およびサービスへの需要は供給を上回っているとし、「こうした状況が範なインフレを引き起こしており、インフレ抑制には時間がかかるだろう」と述べた。

その上で、インフレ率が来年には3%まで鈍化する可能性があるし、「インフレは今後数年で2%の目標に近づく」と予想。「需要を供給と一致する水準に抑制しインフレを低下させるために、金融政策がその役割を果たす必要がある」とし、「FOMCは強力な行動を取っている」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、国民向け演説で実績強調 支持率低迷の中

ワールド

ドイツ予算委、500億ユーロ超の防衛契約承認 過去

ビジネス

「空飛ぶタクシー」の米ジョビ―、生産能力倍増へ 

ビジネス

ドイツ経済、26年は国内主導の回復に転換へ=IMK
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】「日の丸造船」復権へ...国策で関連銘柄が軒…
  • 9
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 10
    【人手不足の真相】データが示す「女性・高齢者の労…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 5
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 10
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中