ニュース速報

ビジネス

日本郵政社長に長門氏、買収に意欲 マイナス金利の影響限定的

2016年03月16日(水)18時04分

 3月16日、日本郵政は、西室泰三社長(80)の後任に、ゆうちょ銀行の長門正貢社長(67)が4月1日付で就任すると発表した。写真は長門正貢社長。昨年10月撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 16日 ロイター] - 日本郵政<6178.T>は16日、西室泰三社長(80)の後任に、ゆうちょ銀行<7182.T>の長門正貢社長(67)が4月1日付で就任すると発表した。同日開催の取締役会で決議した。

会見した長門氏は、物流だけでなくその他の分野でも買収を検討するとし、成長に向けて意欲を示した。

長門氏は日本興業銀行(現みずほ銀行)出身で、みずほ銀行常務執行役員を経て、富士重工業<7270.T>副社長に就任。その後、シティバンク銀行会長に転じた。銀行時代から海外分野に通じている。2015年5月、ゆうちょ銀社長に就任した。

西室社長が2月上旬に検査入院し、退院のめどが立たないことから、急きょ長門氏の起用となった。西室氏からは3月3日に社長退任の申し出があったという。

長門次期社長と鈴木康雄上級副社長は同日午後に記者会見。鈴木副社長は内部昇格となったことについて、6月に上場後初の株主総会があり、執行の立場にいる人から選ぶ必要があったと説明。長門氏を選任した理由について、日本郵政グループの収益の源泉となっている金融事業に精通していることや、オーストラリアの物流大手、トールの買収などで国際展開が進んでいることから、海外ビジネスにも詳しいなどの経歴を評価したと語った。

長門次期社長は会見で、傘下のゆうちょ銀、かんぽ生命保険、日本郵便の3社が多様なサービスを追求するのがビジネスモデルと強調。そのうえで、ゆうちょ銀やかんぽ生命保険<7181.T>の株式売り出しを進めても、引き続き郵便局のネットワークを核にした連携が重要と指摘した。親会社の社長として「(グループ各社は)上場企業としての独立性を保たないといけないが、有機的に連携づけるのが親会社の機能」と述べた。

成長戦略について「買収の機会があれば、あらゆる機会をとらえて聖域なく考えたい」と語り、物流に限らず、金融などの面でも買収策を検討する考えを示した。

マイナス金利の導入で、特にゆうちょ銀の業績に対するインパクトが懸念されているが、「(日銀当預のマイナス金利の)インパクトは非常に限られている。この程度であれば、十分跳ね返しうる金額だ」と強調。運用面では、収益追求(サテライト)ポートフォリオの拡大が順調に進んでいるとし、新たなオルタナティブ投資なども進め、国債に依存した収益体制からの脱却をさらに加速させる考えを示した。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アプライド、26年度売上高6億ドル下押し予想 米輸

ワールド

カナダ中銀が物価指標計測の見直し検討、最新動向適切

ビジネス

日経平均は続伸で寄り付く、米株高を好感 半導体関連

ワールド

プーチン氏「私は皇帝でなく大統領」、国民に選ばれた
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
2025年10月 7日号(9/30発売)

投手復帰のシーズンもプレーオフに進出。二刀流の復活劇をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最悪」の下落リスク
  • 3
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 4
    「人類の起源」の定説が覆る大発見...100万年前の頭…
  • 5
    イスラエルのおぞましい野望「ガザ再編」は「1本の論…
  • 6
    「元は恐竜だったのにね...」行動が「完全に人間化」…
  • 7
    1日1000人が「ミリオネア」に...でも豪邸もヨットも…
  • 8
    女性兵士、花魁、ふんどし男......中国映画「731」が…
  • 9
    【クイズ】1位はアメリカ...世界で2番目に「航空機・…
  • 10
    AI就職氷河期が米Z世代を直撃している
  • 1
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 4
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけでは…
  • 5
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒…
  • 6
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 7
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 8
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 9
    高校アメフトの試合中に「あまりに悪質なプレー」...…
  • 10
    虫刺されに見える? 足首の「謎の灰色の傷」の中から…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 9
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中