爆増する単身高齢者の生活を支える公的支援の整備が急務
東京23区では2023年の時点で高齢者のうち借家住まいの単身世帯が2割近くに達している photoAC
<団塊ジュニア・ロスジェネ世代が高齢者となる2040年頃には、大都市の高齢者の半数近くが借家住まいの単身世帯になっている可能性も>
東京・杉並区のアパートで、家賃滞納による退去を強制執行しに訪れた執行官らを40代の男が殺傷する事件が起きた。滞納額はおよそ100万円。家主にすればたまったものではなく、法的手段に訴えた矢先での悲劇だ。
ただ、長期にわたる家賃滞納があり話し合いにも応じないからといって、誰もかれもが退去させられるものではない。刃物を振り回す体力のある壮年男性はともかく、歩くのもままならない高齢者を追い出すわけにはいかない。放り出したら生命の危険がある場合、退去の強制執行はできない。高齢者に部屋を貸すのを家主が嫌がる理由だ。
孤独死も怖い。遺体が長期にわたって発見されず腐敗した場合、目も当てられない惨状になる。特殊清掃の費用はかさみ、事故物件ということで家賃値下げを強いられる。家財を処分するにしても、相続人を探し当てて相続放棄の承認を得ないといけない。高齢者、特に単身の高齢者には貸したくない、という家主の思いはよく分かる。
しかし高齢化・単身化が進んでいるので、一人暮らしの高齢者からの賃貸需要は多くなる。都市部では特にそうだ。東京都内23区の現状はどうかと言うと、世帯主が65歳以上の高齢者世帯は142万3900世帯。このうち単身世帯は46.0%で、この単身高齢世帯の42.3%は借家住まいとなっている。この2つの数値をかけ合わせることで、高齢世帯全体の中で、借家住まいの単身世帯が何%かを算出できる。

<図1>によると、都内23区の高齢者世帯のうち、借家住まいの単身世帯が19.5%であることが分かる。およそ5分の1だ。区ごとに見ると最も高い新宿区では27.0%、2位の北区では26.5%、3位の板橋区では24.3%にもなっている。2023年の時点でこの状況だ。
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