量的に多い団塊ジュニアやロスジェネが高齢期になる2040年頃、大都市では高齢者世帯の半数弱が借家住まいの単身世帯になっているかもしれない。これは首尾よく部屋を貸してもらえたらの話で、高齢者への「貸し渋り」が続くままだと、家のない単身高齢者と空き部屋が溢れかえる事態となる。

不吉な予測だが、あり得ないことではない。これから先、単身の高齢者、それも身寄りのない「未婚」の単身高齢者が増えてくる。安否確認や死後の事務処理をしてくれる保証人がいないということで、部屋を借りるのは非常に難しい。

こういう問題にかんがみ、青森市では「死後事務委任契約」を家主と取り交わす取組が生まれている(東奥日報、2026年1月16日)。面倒な手続きを経ずに家主が残置物を処理でき、特殊清掃を含む費用は借主が生前に加入する保険で賄われる。高齢化が進み、一人暮らし向けの賃貸の顧客が若者から高齢者にシフトしている地方ならではの取組だが、全国に波及することが望まれる。孤独死を防ぐ安否確認にしても、ICT技術を活用することで、負担を軽減できる。

長らく家族に委ねられてきた高齢者の生活の保証を、徐々に「社会化」させていく必要がある。

<資料>
総務省『住宅・土地統計調査』(2023年)

【グラフ】65歳以上の高齢世帯のうち借家・単身の割合(東京23区)