最新記事
ベネズエラ

「ベネズエラの雌虎」が持つ「2つの顔」にご用心? トランプ帝国批判の副大統領にも「裏の顔」が...

VENEZUELA’S NEW BOSS

2026年1月14日(水)12時13分
クリスティーナ・ルー (フォーリン・ポリシー誌記者)
ベネズエラのデルシー・ロドリゲス副大統領

体制維持のためならロドリゲスはトランプとも妥協する LEONARDO FERNANDEZ VILORIAーREUTERS

<「帝国の奴隷にはならない」と宣言したロドリゲス副大統領だが、実はアメリカとも「協力」している──>

大統領が拉致されても体制は揺るがなかった。米軍の奇襲でニコラス・マドゥロが連れ去られてもベネズエラに権力の空白は生じず、副大統領のデルシー・ロドリゲスが粛々と「代行」に就任した。

まだ56歳で国際的な知名度は低いが、ロドリゲスは既に老練な政治家だ。根っからの社会主義者で、かつては「雌虎」と評されたこともある強硬派。


ウゴ・チャベスの時代から頭角を現し、マドゥロ政権では通信情報相や外相などの要職を歴任。副大統領に昇格してからは諜報機関を統括する一方で石油相も兼ね、主義主張は曲げないが現実的な対応のできる人物として知られてきた。

要するに「顔が変わっただけで、体制は変わっていない」と評したのは米シンクタンク戦略国際問題研究所の上級研究員クリストファー・エルナンデスロイ。「軍隊を握り、昨日までマドゥロを支えてきた面々が今はロドリゲスを支えている」

スペイン語に加え、英語とフランス語にも堪能なロドリゲスには政治家の血が流れている。父ホルヘ・アントニオ・ロドリゲスは社会主義者で左派のゲリラ活動に参加し、マルクス主義の政党を創設した人物。1976年にアメリカ人実業家の誘拐に関与した容疑で逮捕され、獄中で死亡している。

兄のホルヘもマドゥロ政権の参謀格だった人物で、今は国会議長の肩書を持つ。

ただし、ここで注目したいのはロドリゲス兄妹が以前からトランプ米政権とのパイプを築いていた事実だ。米紙マイアミ・ヘラルドの昨年の報道によれば、2人は自分たちをマドゥロよりも「受け入れやすい」選択肢として米政権に売り込んでいた。

日本企業
変わる「JBIC」...2つの「欧州ファンド」で、日本のスタートアップ支援に乗り出した理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ米大統領、自身のSNSに投稿された人種差別

ビジネス

アングル:インド「高級水」市場が急成長、富裕層にブ

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、リスク資産反発受け 円は衆

ワールド

トランプ氏、インドへの25%追加関税撤廃 ロ産石油
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近したイラン製ドローンを撃墜
  • 2
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予防のために、絶対にしてはいけないこととは?
  • 3
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入った「最強ライバル」の名前
  • 4
    韓国ダークツーリズムが変わる 日本統治時代から「南…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    地球の近くで「第2の地球」が発見されたかも! その…
  • 7
    鉱物資源の安定供給を守るために必要なことは「中国…
  • 8
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 9
    「右足全体が食われた」...突如ビーチに現れたサメが…
  • 10
    日経平均5万4000円台でも東京ディズニー株は低迷...…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 3
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染拡大する可能性は? 感染症の専門家の見解
  • 4
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 5
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 6
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 7
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 8
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入っ…
  • 9
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 10
    エプスタインが政権中枢の情報をプーチンに流してい…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中