なぜアメリカとサウジは核開発で手を結ぶのか?...各国がそわそわする背景

交渉役はエネルギー相のアブドルアジズ王子 MURAD SEZERーREUTERS
<アメリカとサウジアラビアの動向を見守るプレイヤーは、イラン、中国、ロシア、イスラエルなど多数>
アメリカはイランの核開発を抑制すべく交渉する一方で、イランの主要なライバルであるサウジアラビアと、民生用原子力に関する合意形成を加速させている。
イランが核兵器を保有した場合、サウジも同様の道を模索する可能性が高い。
一方でアメリカとサウジの核協力が深化すれば、石油と安全保障を軸に築かれてきた両国の長年の同盟関係を強化しつつ、同地域での中国・ロシアの台頭に対抗する効果もある。
合意できれば、米企業がサウジ初の原子力発電所の開発を主導できるようになり、サウジがアメリカに拠点を置くウラン濃縮施設への投資を伴う可能性も出てくる。
これはアメリカがロシア産濃縮ウランへの依存を減らすのに役立つと、米シンクタンクのブルッキングス研究所は指摘する。
協議は進展する可能性が高いが、少なくとも数カ月かかる見込み。核保有国とみられるイスラエルは、この合意がサウジの核開発への道を開くことを阻止すべく動くだろう。