最新記事
災害

ハワイ・マウイ島山火事、死者が96人・行方不明者なお多数 原因は電力会社の送電設備か

2023年8月15日(火)11時01分
ロイター
火災の延焼で燃える建物

米ハワイ州マウイ島で8日に発生した大規模な森林火災で、死者が96人に達し、いまだに数百人が行方不明となっている中、特に深刻な被害が出た主要観光地のラハイナでは14日も捜索活動が続けられている。写真はラハイナで9日撮影。提供写真(2023年 ロイター/Dustin Johnson/Handout via REUTERS)

米ハワイ州マウイ島で8日に発生した大規模な森林火災で、死者が96人に達し、いまだに数百人が行方不明となっている中、特に深刻な被害が出た主要観光地のラハイナでは14日も捜索活動が続けられている。

グリーン州知事はソーシャルメディアに投稿したビデオで、少なくとも2200棟の建物が焼失し、その86%が住宅だったと指摘。

「96人の犠牲者が確認された。まだ増えるだろう。胸が張り裂けるようだ」などと語った。

今回の山火事はハワイ州で史上最悪の自然災害であり、96人という死者数は、1918年にミネソタ州のクロケット火災で453人が亡くなって以来、米国の山火事による死者数としては最多。

気象局の警告を無視した電力会社に原因?

米電力会社ハワイアン・エレクトリック・インダストリーズの株価が14日、一時約40%急落し、2010年2月以来13年ぶり安値に沈んだ。ハワイ州マウイ島で8日発生した大規模森林火災の原因が、同社の送電設備と関連している可能性があるという懸念が広がっている。

火災の原因はなお調査中だが、米紙ワシントン・ポストは週末、火災が発生する数日前、強風が危険な状況を引き起こすリスクがあるという警告があったにもかかわらず、ハワイアン・エレクトリックが十分な安全対策を怠っていた可能性があると報じた。

また、火災で壊滅的な被害を受けたラハイナの住民は集団訴訟案の中で、強風で送電線が吹き飛ばされ、山火事が急速に広がる可能性があるという国立気象局の警告にもかかわらず、送電を停止しなかったハワイアン・エレクトリックに非があると主張している。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

食と健康
「60代でも働き盛り」 社員の健康に資する常備型社食サービス、利用拡大を支えるのは「シニア世代の活躍」
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

セルビアはロシアとの協力関係の改善望む=ブチッチ大

ワールド

EU気候変動目標の交渉、フランスが首脳レベルへの引

ワールド

米高裁も不法移民送還に違法判断、政権の「敵性外国人

ビジネス

日銀総裁、首相と意見交換 「政府と連絡し為替市場を
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 2
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 3
    「見せびらかし...」ベッカム長男夫妻、家族とのヨットバカンスに不参加も「価格5倍」の豪華ヨットで2日後同じ寄港地に
  • 4
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 5
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
  • 6
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 7
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 8
    Z世代の幸福度は、実はとても低い...国際研究が彼ら…
  • 9
    トレーニング継続率は7倍に...運動を「サボりたい」…
  • 10
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 4
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 5
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 6
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 7
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 8
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 9
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 10
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 1
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 6
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中