最新記事
SNS

泣いて助けを求めても、撮影を続ける少年たち...流行の「いたずら動画」で女性が一時意識不明に

2023年3月31日(金)18時05分
ビニサ・ジェイコブ
バケツをかぶった人

draganab-iStock

<TikTokなどで流行している「ストレンジャー・バケツ・チャレンジ」と呼ばれる行為は「犯罪だ」と地元カリフォルニア州の警察>

TikTokなどのSNSで最近、一般人を相手にした、ある「いたずら」動画が流行している。その悪ふざけの標的になってしまった米カリフォルニア州の女性が、意識を失って病院に運ばれる出来事が発生。警察が暴行事件として捜査する事態となった。いたずらの内容は、見ず知らずの人の頭にいきなりバケツをかぶせ、驚いたり怒ったりする様子を見て面白がるというものだ。

■【動画】驚いたり怒ったりする反応を見て面白がる...バケツをかぶせる「いたずら」が流行

30歳のラナ・クレイ=モナハンは元がん患者で、双子の男児を産んだばかりの母親だ。日曜午後に、育児用品を買おうとして、同州タスティンにある量販店「ターゲット」を訪れていたときだった。ティーンエイジャーの集団が、いきなり彼女の頭にすっぽりとバケツをかぶせたのだ。

店内の防犯カメラ映像には、4人のティーンエイジャー男子が、何も知らない彼女を標的にし、バケツをかぶせられてもがく姿をスマートフォンで撮影する様子が映っていた。

「ベビー用の石鹸を見ているときだった。かがみこんだその瞬間、目の前の世界が一変した」。クレイ=モナハンは、地元テレビ局KTLAに対してそう語った。「何もかもが静まり返って暗くなり、空気もなくなった」。混乱して怖くなり、数秒ほど方向感覚を失ったという。

クレイ=モナハンはテレビ局ABC7の取材に対し、「視界が遮られた」と述べている。「何も聞こえず、息もできなかった。すぐにバケツを取ろうとしながら、助けてほしいと叫んだ」

笑いながらスマホのカメラを向ける少年たち

彼女がようやく頭からバケツをとると、少年たちが目の前で笑いながら、スマートフォンを自分の方に向けて撮影していたという。「『助けて』と言って私は泣き出し、あとは気を失って床に倒れた」と、彼女は語った。

クレイ=モナハンは、自分はてんかん患者であり、急激なストレスが原因で意識を失ったのだと説明した。その後、病院に搬送され、ようやく意識を取り戻したという。

警察によれば、今回の行為はTikTokなどのソーシャルメディア・プラットフォームで流行中のいたずらと一致する。これは「ストレンジャー・バケツ・チャレンジ」と呼ばれ、見ず知らずの人の頭にバケツかカゴをかぶせ、その反応を撮影する行為だ。

タスティン警察署のライアン・コー警部補はNBCロサンゼルス局の取材に対し、「そういう行為をする人間は、単なるいたずらだと考えている場合がある」と語っている。「しかし実際には、これは犯罪だ」

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

プーチン大統領、トランプ氏にクリスマスメッセージ=

ワールド

ローマ教皇レオ14世、初のクリスマス説教 ガザの惨

ワールド

中国、米が中印関係改善を妨害と非難

ワールド

中国、TikTok売却でバランスの取れた解決策望む
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...どこでも魚を養殖できる岡山理科大学の好適環境水
  • 4
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 5
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 6
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 7
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 10
    【銘柄】「Switch 2」好調の任天堂にまさかの暗雲...…
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 5
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 6
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 7
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 8
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 9
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 10
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中