最新記事

アメリカ政治

「ミシェル・オバマは男」に半数が同意! バカげた陰謀論が未だに力をもつ理由

'Michelle Obama Is Really a Man': The Wildest MAGA Conspiracy Yet

2023年1月26日(木)19時12分
ジェラード・ケイオンガ

大統領夫人だった2016年当時のミシェル・オバマ。リモートでロンドンの女子学生たちと教育について対話した Kirsty Wigglesworth-REUTERS

<このデマを蒸し返したいトランプ派の政治家らが一斉にツイート。それに呼応するアメリカ社会に潜む「トランス・パニック」とは?>

ミシェル・オバマ元大統領夫人に関する根拠のないデマがまたもやネット上で騒がれている。懲りもせずに偽情報を流しているのも、それをせっせと拡散しているのもMAGA共和党員、すなわちMake America Great Again(アメリカを再び偉大に)を合言葉にする熱狂的なドナルド・トランプ支持者だ。

デマの内容は、ミシェル・オバマは実は男性、もしくはトランスジェンダー女性で、「彼女」と結婚したオバマ元大統領は同性愛者だ、というもの。

このデマ、いつ生まれたかは不明だが、広くシェアされ始めたのはオバマ夫妻がホワイトハウスにいた時期だ。

それが最近になって蒸し返された。きっかけは、昨秋の米中間選挙でカリフォルニア州第43下院議員選挙区に共和党の指名候補として出馬し敗退した陰謀論者のオマー・ナバロのツイートだ。

「ミシェル・オバマが本当は男だと思う人はリツイートして」──ナバロは1月24日、自身のフォロワーにこう呼びかけた。リツイート数は今のところ160件余りだ。

J・リバーズの動画も再び出回る

ウェストバージニア州議会のデリック・エバンス元下院議員(共和党)も同じ日に、「ミシェル・オバマが本当は男だと思う人、いたら名乗り出て」とツイートした。

コメディアンで保守派コメンテーターのテレンス・K・ウィリアムズも申し合わせたようにこの日、「ミシェル男性説がどの程度広まっているかを検証するため」のアンケートをツイッターで実施した。

「ミシェル・オバマは男だと言われ続けているよね。なぜその噂が消えないと思う? それに、妊娠したときの写真が1枚もないのはなぜかな」と書いた上で、フォロワーに「この噂を信じるかどうか」をイエス・ノーで答えさせた。

米東部時間の24日夜までに3万5000人超がアンケートに参加、うち51.1%がイエス、23.4%がノー、「分からない」が25.5%だった。

毒舌で有名だったコメディエンヌの故ジョーン・リバーズが2014年に亡くなる少し前、路上で受けた突撃インタビューの動画もなぜかここに来て、また出回っている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル、イランガス田にも攻撃 応酬続く 米・イ

ワールド

米首都で34年ぶり軍事パレード、トランプ氏誕生日 

ワールド

米ミネソタで州議員が銃撃受け死亡、容疑者逃走中 知

ワールド

再送-米ロ首脳、イスラエル・イラン情勢で電話会談 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 2
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 3
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生きる力」が生んだ「現代医学の奇跡」とは?
  • 4
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 5
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 6
    構想40年「コッポラの暴走」と話題沸騰...映画『メガ…
  • 7
    逃げて!背後に写り込む「捕食者の目」...可愛いウサ…
  • 8
    「結婚は人生の終着点」...欧米にも広がる非婚化の波…
  • 9
    4年間SNSをやめて気づいた「心を失う人」と「回復で…
  • 10
    メーガン妃の「下品なダンス」炎上で「王室イメージ…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    ふわふわの「白カビ」に覆われたイチゴを食べても、…
  • 7
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 8
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 9
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 10
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中