この動画で記者に「アメリカに同性愛の大統領や女性大統領が誕生すると思うか」と聞かれたリバーズは、「既にオバマがいるじゃない」と答える。「ミシェルはトランスよ」

記者が驚いて「えっ、今何て?」と聞き返すと、彼女はこう言い放つ「トランスジェンダーよ。そんなこと、みんな知ってるわ」

執拗に出回るこのデマについては、ネット上でその弊害を警告する声も多い。こうした噂が広がる背景には「トランス・パニック」、すなわちトランスジェンダーに対するいわれのない嫌悪感や過剰反応があるとも指摘される。

陰謀論の研究者、マイケル・ロスチャイルドによると、Qアノンが広めるデマには同性愛者やトンランスジェンダーに対する無知と偏見につけ込んで恐怖感をあおり立てるものが非常に多いという。

「(Qアノンのインフルエンサーである)ゴーストエズラは、有名な女性の誰が『実は』男で、男性の誰が『実は』女かを『明らかにする』と称して、30万人ものフォロワーを獲得している。ミシェル・オバマ男説もQアノン信者の絶大な支持を得ている。病んでいるとしか言いようがない」と、ロスチャイルドは1年程前にツイッターで嘆いたのだが、勢いは衰えない。

ジャーナリストのパトリック・ヘニングセンも過去のツイートで、「ジョーン・リバーズの言うことなら本当だ、とばかりに」、ミシェル・オバマをトランスだと決めつけるインタビュー動画が広く拡散していることには「吐き気を催す」と怒りを露わにした。「リバーズはネットで得た偽情報を得意げに吹聴しているだけなのに。全くバカげている」

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