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深さ15メートルの井戸に落ちたヒョウが救出される

2022年3月1日(火)14時20分
若道いつき
ヒョウ

(写真はイメージです) Freder-iStock

<インドでは珍しいことではないという>

深さ15メートルの井戸の中で身動きのとれなくなった1頭のヒョウが映像に収められた。体の半分ほど水に浸かったヒョウは、水面に浮かぶ金属製クレートの上でぐったりしているように見える。

インド・マハラシュトラ州のアルクティ村でこのヒョウを発見した地元農夫はこのままでは助からないと見て、マハラシュトラ州森林局と動物保護団体「ワイルドライフSOS」に助けを求めた。

すぐに車で駆け付けた団体の職員らが井戸の中に罠用の檻を下ろすと、ヒョウはそこに入り、救出に成功した。

個体数は増えているが

このようにインドでヒョウが井戸に落ちるのは珍しいことではない。

ワイルドライフSOSの広報担当者は「食べ物を求めて村にやってくるヒョウにとって井戸は危険な存在」と語る。夜行性のヒョウは夜間にこういった行動をとることが多く、ふたのない深い井戸に誤って落ちてしまうという。井戸に適切なカバーやフェンスがないのが主な原因で、こうしたケースは近年増加しているようだ。

今回救出されたヒョウは7歳のオスと推定され、獣医による怪我の検査を受けた後に野生へと戻された。

「ヒョウは泳ぎが得意だが、長時間となると疲労のため浮いていることが難しくなる」

落下した際に怪我を負った場合には、より深刻だという。

インドヒョウは現在約1.2万〜1.4万頭が生息している。近年は密猟の取り締まりによって個体数は増加傾向にあるが、それでも絶滅危惧種であることに変わりはない。

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