最新記事

核・ミサイル開発

北朝鮮、発射実験に新ICBMシステム利用=米バイデン政権高官

2022年3月11日(金)08時28分
アメリカと北朝鮮の国旗

米バイデン政権高官は10日、北朝鮮が2月26日と3月4日に実施したミサイル発射実験で比較的新しい大陸間弾道ミサイル(ICBM)システムを利用したとの見方を示し、こうした深刻なエスカレーションに世界的に団結して対応する必要があると述べた。2018年6月撮影(2022年 ロイター/Jonathan Ernst)

バイデン政権高官は10日、北朝鮮が2月26日と3月4日に実施したミサイル発射実験で比較的新しい大陸間弾道ミサイル(ICBM)システムを利用したとの見方を示し、こうした深刻なエスカレーションに世界的に団結して対応する必要があると述べた。

北朝鮮は2017年にICBM発射実験と核実験を凍結したが、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は再開の可能性を警告していた。

米高官によると、新システムは「ICBM対応プラットフォーム」が装備されているが、発射実験の飛距離は「大陸間」を示す水準ではなかった。フルレンジの発射実験を行う前にシステムを試した可能性があるという。

こうした動きは「深刻なエスカレーションに当たる」とし、国際的に団結した対応が必要との考えから、米政府はこの情報の公開を決定したと述べた。

その上で、北朝鮮による兵器開発技術の入手を阻止するために、米財務省が11日に新たな措置を発表すると表明。その後、一連の追加策が発表されるとした。

このほか、米インド太平洋軍が黄海における情報監視と偵察収集の強化のほか、この地域の米弾道ミサイル防衛部隊の準備態勢の強化を命じたと明らかにした。

米朝首脳会談の可能性については、実務レベルの交渉に基づく「真剣な合意」が協議事項に上がっている場合、バイデン大統領は金正恩委員長と会談することにオープンだとしながらも、北朝鮮は米国の対話に対する呼び掛けに応答していないと述べた。

同高官によると、北朝鮮はこのミサイルシステムを2020年10月10日の軍事パレードのほか、21年10月に平壌で開かれた防衛展示会で公開した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・『イカゲーム』の悪夢が世界をここまで虜にする理由
・地面に信号! 斜め上を行く韓国の「スマホゾンビ」対策が話題に
・韓国、保守に政権交代なら核兵器を配備する方針...米国は「関心なし」と専門家


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

グレタさん、ロンドンで一時拘束 親パレスチナ支援デ

ビジネス

ワーナー買収戦、パラマウントの新提案は不十分と主要

ワールド

ベネズエラ国会、海賊行為・封鎖取り締まる新法承認 

ビジネス

日経平均は続伸で寄り付く、米株高の流れ引き継ぐ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者・野村泰紀に聞いた「ファンダメンタルなもの」への情熱
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これまでで最も希望が持てる」
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 6
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 7
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 8
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 9
    なぜ人は「過去の失敗」ばかり覚えているのか?――老…
  • 10
    楽しい自撮り動画から一転...女性が「凶暴な大型動物…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中