最新記事

核開発

イラン、アメリカに制裁全面解除を要求 核合意再建交渉で2つの文書提案

2021年12月3日(金)10時24分
イランの国旗

イランのバゲリ外務次官は、イラン核合意の再建に向けた米国との間接協議で、2つの合意文書の草案について、協議を仲介する合意関係国に提出したと明らかにした。写真はイランの国旗。ウィーンで5月撮影(2021年 ロイター/Leonhard Foeger)

イランのバゲリ外務次官は2日、イラン核合意の再建に向けた米国との間接協議で、2つの合意文書の草案について、協議を仲介する合意関係国に提出したと明らかにした。

バゲリ氏はウィーンで記者団に「われわれは2つの草案を提出した」と述べた。欧州の外交官は草案が提出されたことを確認した。

国営イラン通信(IRNA)が報じたところによると、イランは制裁の解除と核開発の2つの問題について草案を提出した。ただ、詳細は明らかになっていない。

ブリンケン米国務長官はストックホルムで記者団に、最近の動きや発言を踏まえると楽観的になる理由はさほどないと述べ、イランが誠意を持って対応するかどうかは数日以内に判断できるとの見方を示した。

イラン核合意再建に向けた米国との間接協議は、先月29日にウィーンで始まった。

国際原子力機関(IAEA)は1日、イランがフォードウ工場で最新型の遠心分離機を使い濃縮ウランの製造を開始したと発表した。

ブリンケン氏は、核協議の足を引っ張りながら、一方で核開発を継続するという状態を維持することをイランはできないとけん制した。イランの濃縮ウラン製造開始に言及していたとみられる。

この発言の時点で、ブリンケン氏がイランの提出した合意文書の草案について説明を受けていたかどうかは明らかでない。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・クジラは森林並みに大量の炭素を「除去」していた──米調査
・気候変動による世界初の飢饉が発生か 4年間降雨なく、昆虫で飢えをしのぎ...マダガスカル
・地球はこの20年で、薄暗い星になってきていた──太陽光の反射が低下


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米債市場の動き、FRBが利下げすべきとのシグナル=

ビジネス

米ISM製造業景気指数、4月48.7 関税コストで

ビジネス

米3月建設支出、0.5%減 ローン金利高騰や関税が

ワールド

ウォルツ米大統領補佐官が辞任へ=関係筋
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 5
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 6
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 7
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 8
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 9
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 10
    【徹底解説】次の教皇は誰に?...教皇選挙(コンクラ…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中