最新記事

クーデター

ミャンマー、地元武装勢力が撤退 国軍との戦闘激化

2021年5月17日(月)09時26分
ミャンマーのデモ

ミャンマーの北西部チン州の都市ミンダットを拠点としていた地元武装勢力は、ここ数日の戦闘部隊による攻撃を受け、同市から退散した。ヤンゴンのデモ現場で2月撮影(2021年 ロイター)

ミャンマーの北西部チン州の都市ミンダットを拠点としていた地元武装勢力は、ここ数日の戦闘部隊による攻撃を受け、同市から退散した。武装勢力のメンバーが16日に明らかにした。

ある戦闘員は「対立を避け、町への打撃を懸念して退散した。約4万人が住むミンダットには今や女性と子供しか残っておらず、大半が国軍に占拠されていると説明。「子供を含む男性全てが戦闘に参加しているため、全員が逃げている」と語った。

米政府系放送局、ラジオ自由アジア(RFA)が武装勢力メンバーの話として伝えたところによると、戦闘員5人が死亡したという。ただ、その数倍の被害を国軍側に与えたとしている。

軍が管理するテレビ局Myawaddyは15日、ミンダットで「無節操な人々」による攻撃を受け、治安部隊の数人が死亡し、行方不明者も出ていると伝えた。16日には国内で過去数日間に2件の治安部隊への攻撃があったと報じた。

国軍スポークスマンはコメントの要請に応じていない。

ミャンマーでは仏教徒が国民の大半を占めるが、チン州住民の多くはキリスト教徒。

国軍によるクーデターが発生する前から、国内には約20の少数民族武装勢力が存在していたが、ミンダットでの戦闘は、国軍に抵抗するため新たな武装組織が作られていることを示している。こうした武装勢力は、 ミャンマーの民主派勢力の「挙国一致政府(NUG)」が設立した独自の部隊「国民防衛隊」への協力を表明している。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・ミャンマー国軍が「利益に反する」クーデターを起こした本当の理由
・ミャンマー軍政を揺るがすミルクティー同盟──反独裁で連帯するアジアの若者たち


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

タイ、2月8日に総選挙 選管が発表

ワールド

フィリピン、中国に抗議へ 南シナ海で漁師負傷

ビジネス

ユーロ圏鉱工業生産、10月は前月比・前年比とも伸び

ワールド

オーストラリア、銃乱射事件受け規制強化へ 無期限許
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 5
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    大成功の東京デフリンピックが、日本人をこう変えた
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中