最新記事

アメリカ社会

新型コロナ死亡率に支持政党が関係? 米、民主党支持地区が共和党地区の3倍に

2020年5月23日(土)14時00分

ロイターが人口データと公衆衛生データを分析したところ、米国では民主党支持者の多い地区で、新型コロナウイルス感染症の死亡率が高いことが明らかになった。同地区の死亡率は共和党支持者の多い地区の3倍に達している。写真はデトロイトで新型コロナの検査を受ける市民。4月撮影(2020年 ロイター/Rebecca Cook/File Photo)

ロイターが人口データと公衆衛生データを分析したところ、米国では民主党支持者の多い地区で、新型コロナウイルス感染症の死亡率が高いことが明らかになった。同地区の死亡率は共和党支持者の多い地区の3倍に達している。

新型コロナへの対応を巡っては、共和党支持者と民主党支持者の間で温度差があるが、こうした要因が影響している可能性もある。

2016年の大統領選で民主党のヒラリー・クリントン氏に投票した郡では、20日時点で10万人当たり39人の死者が出ているが、共和党のドナルド・トランプ氏に投票した郡では、10万人当たり13人となっている。

ニューヨークなど、民主党支持者の多い、人口密度が高い都市では死亡率が高いが、共和党支持者が多い農村部や郊外では相対的に死亡率が低い傾向がみられる。

ニューヨーク州だけではなく、全米50州中36州で、民主党支持者の多い郡のほうが、死亡率が高い傾向が見られた。

ロイターとイプソスが18-19日に成人1115人を対象に実施した調査によると、民主党支持者の約半数は新型コロナを「非常に懸念している」と回答。共和党支持者で同じ回答をした人は全体の3分の1にとどまった。

他の世論調査でも、共和党支持者の方が、民主党支持者よりも封鎖措置の解除を強く望んでいることが明らかになっている。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・東京都、3段階で休業解除へ 感染増加すれば東京アラートでレインボーブリッジ赤点灯
・新型コロナウイルスをめぐる各国の最新状況まとめ(23日現在)
・コロナ独自路線のスウェーデン、死者3000人突破に当局の科学者「恐ろしい」
・韓国クラスター発生の梨泰院、BTSメンバーら芸能人も 感染者追跡の陰で性的マイノリティへの差別も


20200526issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年5月26日号(5月19日発売)は「コロナ特効薬を探せ」特集。世界で30万人の命を奪った新型コロナウイルス。この闘いを制する治療薬とワクチン開発の最前線をルポ。 PLUS レムデジビル、アビガン、カレトラ......コロナに効く既存薬は?

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米消費者、42%が感謝祭にクレカ利用予定 前年から

ビジネス

ドイツ経済、第4四半期は緩やかに成長 サービス主導

ワールド

資産差し押さえならベルギーとユーロクリアに法的措置

ワールド

和平計画、ウクライナと欧州が関与すべきとEU外相
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 5
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 6
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 7
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 8
    【クイズ】中国からの融資を「最も多く」受けている…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    「これは侮辱だ」ディズニー、生成AI使用の「衝撃宣…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 8
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 9
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 10
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中