最新記事

台湾

台湾が太平洋の諸島国キリバスと断交 外交関係残る国はわずか15カ国に

2019年9月20日(金)18時11分

台湾は20日、太平洋の島しょ国キリバスと断交したと発表した。台湾と国交を結ぶ諸国には中国が断交を迫り外交圧力をかけている。 写真はキリバス上空で2016年4月撮影(2019年 ロイター/Lincoln Feast)

台湾は20日、太平洋の島しょ国キリバスと断交したと発表した。台湾と国交を結ぶ諸国には中国が断交を迫り外交圧力をかけている。

台湾の呉ショウ燮外交部長(外相)は、中国がキリバスに、航空機などの調達費用の支援をもちかけ、台湾との断交を促したと主張した。

2016年に台湾の蔡英文政権が発足して以降、台湾との断交を決めたのはキリバスが7カ国目。台湾と外交関係を維持するのはわずか15カ国になった。

太平洋の島しょ国ではソロモン諸島が16日に台湾と断交し、中国との国交樹立を発表していた。

呉外交部長は記者団に、キリバスと外交関係を断絶したと表明し、早急に在キリバス大使館を閉鎖すると述べた。

呉氏は「台湾が入手した情報によれば、中国政府はすでにキリバスに複数の航空機や商業用フェリーの調達資金を提供すると約束し、外交関係の対象を変更するよう促した」と指摘。

その上で、中国は台湾の国際社会におけるプレゼンスを抑圧して「最終的に台湾の主権壊滅」を狙っているとし、「中国政府は、こうした外交事例を作ることにより、台湾の世論を操作し、予定される総統・議会選挙に影響を及ぼし、台湾の民主的プロセスを弱体化させているのは明白」と述べた。

台湾当局の高官によると、キリバスが中国に要請した支援は、融資やボーイング737型機など。中国は10月1日の建国70周年に向けて、台湾をさらに外交的に孤立させようとしているという。

親中国の野党・国民党は声明で、与党・民主進歩党(民進党)に対中国政策の見直しを要請した。

中国外務省の耿爽報道官は定例会見で、キリバスの中国との国交樹立決定に歓迎の意を示した。

*内容を追加しました。

[台北/北京 20日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



190924cover-thum.jpg※9月24日号(9月18日発売)は、「日本と韓国:悪いのはどちらか」特集。終わりなき争いを続ける日本と韓国――。コロンビア大学のキャロル・グラック教授(歴史学)が過去を政治の道具にする「記憶の政治」の愚を論じ、日本で生まれ育った元「朝鮮」籍の映画監督、ヤン ヨンヒは「私にとって韓国は長年『最も遠い国』だった」と題するルポを寄稿。泥沼の関係に陥った本当の原因とその「出口」を考える特集です。



ニューズウィーク日本版 健康長寿の筋トレ入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年9月2日号(8月26日発売)は「健康長寿の筋トレ入門」特集。なかやまきんに君直伝レッスン/1日5分のエキセントリック運動

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

英財務相は銀行の準備預金利子の課税を、シンクタンク

ワールド

トランプ一族「ビットコイン社会を愛している」 10

ワールド

焦点:ウクライナ和平に向けた対ロ交渉、米政権混乱の

ワールド

アングル:高関税に知恵絞るインド中小企業、欧州・ア
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:健康長寿の筋トレ入門
特集:健康長寿の筋トレ入門
2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ」とは何か? 対策のカギは「航空機のトイレ」に
  • 3
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 4
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 5
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 6
    トレーニング継続率は7倍に...運動を「サボりたい」…
  • 7
    「ガソリンスタンドに行列」...ウクライナの反撃が「…
  • 8
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 9
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 10
    自らの力で「筋肉の扉」を開くために――「なかやまき…
  • 1
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 2
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 3
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 4
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 5
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
  • 6
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 7
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 8
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 9
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 10
    脳をハイジャックする「10の超加工食品」とは?...罪…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 10
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中