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18年米中間選挙では外国政府の干渉はあったのか──ロシア疑惑のその後

2019年5月10日(金)18時20分
湯淺墾道(情報セキュリティ大学院大学学長補佐・教授)※時事通信社発行の電子書籍「e-World Premium」より転載

Jonathan Ernst-REUTERS

2019年4月18日、ロシアによるサイバー攻撃を利用した2016年アメリカ大統領選挙干渉疑惑を捜査するために任命されていたロバート・モラー特別検察官は、捜査結果の報告書を公表した。

司法省のウェブサイトで公表された報告書は500ページ近い大部のものであり、ロシア政府の戦略やトランプ陣営関係者との接触が詳細に記載されている。しかし、すべてが公開されたわけではなく、おそらく実名が載っていると思われる部分が墨塗りになっている箇所は、非常に多い。

このため連邦議会側は、司法省に対して詳細部分の開示を要求するとともに、モラー特別検察官の連邦議会の公聴会への召喚も検討している。

これに対してトランプ大統領側は公聴会への召喚に強く反対している。大統領は自身のツイッターで「モラー報告書は、ロシアとの共謀を全く発見できなかった」と述べるなど、報告書によって自らの無実が明らかになったと主張し、この問題をモラー報告書の公表によって幕引きとしたい意向を強く示している。

トランプ政権のロシアによる大統領選介入疑惑への消極的な姿勢は、モラー報告書の扱いにとどまらない。トランプ政権は外国政府によるサイバー空間を利用した選挙干渉を調査するための手続きを規定し、情報機関が捜査機関と協力して調査を実施することを大統領令で命じたものの、実際の調査は極めて消極的なものであった。

このような姿勢からは、外国政府による選挙介入への表向き積極的な対抗措置を打ち出してロシア寄りとの批判をかわしつつ、ロシアによるアメリカの選挙への介入疑惑について火消しを図りたいトランプ政権の意向が透けて見える。

大統領令は経済制裁も規定

トランプ大統領は、2018年9月に「アメリカ合衆国内の選挙への外国の干渉が発生した場合に一定の制裁を科す大統領令」を定めた。選挙干渉の調査手続き、その報告、報告を受けた後の制裁措置等について規定するもので、大統領令第1条は、国家情報長官、司法長官、国土安全保障長官に対して、外国からの選挙干渉について、次のように選挙終了後45日以内に調査を完了することを命じている。


第1条
 (a)国家情報長官は、合衆国選挙の終了から45日以内に、他の適切な行政部局(機関)の長と協議の上、外国政府または外国政府の代理人もしくは代理人として行動する者がその選挙を妨害する意図または目的で行動したことを示す情報を調査するものとする。調査は、確認可能な最大限の範囲において、外国からの干渉の性質およびこれを実施するために用いられる方法、関係する者、ならびに当該干渉を承認し、指示し、後援し、または支援した外国政府または政府を特定しなければならない。国家情報長官は、この調査および適切な支援情報を、大統領、国務長官、財務長官、国防長官、司法長官および国土安全保障長官に送付する。

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