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フランス政府、イタリア極右政権に抗議 戦後初めて大使を呼び戻し

2019年2月8日(金)11時40分

フランス政府は、イタリアの政権指導者がフランスに対し「度重なる根拠なき」非難を向けているとして、駐イタリア大使を呼び戻したことを明らかにした。写真はフランスでのイベントに参加するマクロン仏大統領。代表撮影(2019年 ロイター)

フランス政府は7日、イタリアの政権指導者がフランスに対し「度重なる根拠なき」非難を向けているとして、駐イタリア大使を呼び戻したことを明らかにした。

フランスの駐イタリア大使が呼び戻されるのは第2次世界大戦後初めて。

外交筋によると、イタリアのディマイオ副首相がフランスの「黄色いベスト運動」指導者らと会ったことをはじめ、イタリアによる一連の侮辱行為を受けた措置という。

仏外務省は声明で「フランスは数カ月にわたり、度重なる根拠のない攻撃と理不尽な発言のターゲットにされてきた」とし、「見解が対立することと、選挙目的に(外交)関係を利用することは別だ」と批判した。

ポピュリスト(大衆迎合主義者)政党「五つ星運動」の党首を務めるディマイオ氏はこれに対し、「マクロン大統領は欧州議会選挙をにらんで繰り返しイタリア政府を批判してきた」と反論。「五つ星運動党首として私が黄色いベスト運動のメンバーと会ったのは完全に正当だ。仏国民を代表する政治勢力と対話する権利が私にはある」と主張した。

5月の欧州議会選ではポピュリスト政党の躍進が予想されている。

[パリ/ローマ 7日 ロイター]


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