最新記事

自動車

フランス政府、ルノーCEO後任選び開始 ポストゴーンにトヨタ幹部の名も

2018年12月14日(金)09時34分

12月13日、関係筋によると、フランス政府は日本で起訴されたルノーのカルロス・ゴーン会長兼最高経営責任者(写真)について、後任CEOの候補者選びを始めた。パリの自動車ショーで2018年10月撮影(2018年 ロイター/Regis Duvignau)

関係筋によると、フランス政府は日本で起訴されたルノーのカルロス・ゴーン会長兼最高経営責任者(CEO)について、後任CEOの候補者選びを始めた。取締役の間ではゴーン氏の留任を疑問視する声が出始めているという。関係筋の1人によると、トヨタ自動車幹部の名前も挙がっているという。

ルノーが13日に開いた取締役会では、ゴーン氏の逮捕につながった日産自動車による調査について説明が行われた。

取締役会はゴーン氏の解任を再び見送り、現時点で不正は見つかっていないとの声明を出した。

しかし、関係筋2人によると、5時間にわたる会議では、ブレア元英首相の妻、シェリー・ブレア氏をはじめ複数の取締役がこうした見解にいら立ちを示した。

関係筋の1人によると、ブレア氏は、現在の状況を永遠に続けることは不可能で、ある時点で前に進まなければならないとの考えを示したという。

ルノーの広報担当者は、取締役会でのやり取りについてはコメントできないとした。ブレア氏のコメントは現時点で得られていない。

関係筋3人によると、仏政府は既に後任CEOの候補者を挙げ始めたもようだ。

関係筋の1人は「まだ公式ではないが、政府は候補者選びに取り組んでいる。政府は次のページに進む用意がある」とした上で、トヨタ自動車幹部のディディエ・ルロイ氏が検討されると述べた。

ルロイ氏はロイターの取材に対し「憶測にはコメントしない。私はトヨタでの仕事に100パーセント集中している」と述べた。

関係筋2人によると、取締役会では2人の社外取締役やルノーの社員代表らもブレア氏と同様の見解を示し、一部ではゴーン氏の問題を巡る経営陣の対応を懸念する声も上がったという。

[パリ 13日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 ISSUES 2026
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月30日/2026年1月6号(12月23日発売)は「ISSUES 2026」特集。トランプの黄昏/中国AIに限界/米なきアジア安全保障/核使用の現実味/米ドルの賞味期限/WHO’S NEXT…2026年の世界を読む恒例の人気特集です

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、シカゴ・ロス・ポートランドから州兵撤退

ビジネス

米国株式市場=続落、25年は主要3指数2桁上昇 3

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、年間では2017年以来の大

ワールド

ゼレンスキー氏「ぜい弱な和平合意に署名せず」、新年
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 5
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 8
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中