最新記事

米中関係

トランプ政権、中国を中間選挙へ介入画策と非難 対中「圧力戦略」新局面入りか

2018年10月1日(月)13時30分

9月27日、トランプ米大統領が、11月の米中間選挙に介入しようと画策していると中国を非難したことは、中国に対する圧力戦術が新たな局面を迎えたことを示している。北京で2017年11月撮影(2018年 ロイター/Damir Sagolj)

トランプ米大統領が26日、11月の米中間選挙に介入しようと画策していると中国を非難したことは、中国に対する圧力戦術が新たな局面を迎えたことを示している。複数の米政府高官が27日語った。

2人の政府高官によると、長年の対中強硬派として知られるボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が中心となって、貿易摩擦の枠を超え、サイバー活動や台湾、南シナ海の領有権問題なども含めて、中国に対して強い姿勢を取るようトランプ大統領を説得した。

新たな戦術はまだ策定中だが、中国への圧力強化により、今後数週間で米国側からのさらなる強硬発言や、新たな政策措置が出てくるだろう、と政府関係者は語った。ホワイトハウスは、この点に関するロイターの問い合わせに応じなかった。

米中関係が緊迫化する中で、トランプ大統領は26日の国連安保理会合で、中国が11月6日の米中間選挙で共和党が不利になるよう介入し、通商問題におけるトランプ氏の強硬姿勢に一矢報いようとしていると非難。介入の根拠は示さなかった。

これにより、トランプ氏は2016年の米大統領選におけるロシア介入疑惑と自身の選挙陣営の癒着疑惑を巡る捜査から、関心をそらそうとしており、同時に、中間選挙で共和党が振るわなかった場合に中国に責任を転嫁する用意を始めたのではないかとの批判も出ている。中間選挙の結果次第では、共和党が下院で過半数を失う可能性がある。

とはいえ、中国は米国の国益に「ハイブリッド戦」を仕掛けており、ロシアと並ぶ強力なライバルだということを、トランプ大統領が明確な発言で示す必要があるとの認識がホワイトハウスで高まっていた、と前出の政府高官は強調する。

最近では、ロシアから戦闘機やミサイルシステムを購入して米制裁に違反したとして、米国が中国人民解放軍の兵器管理部門を制裁対象に指定。これを受けて中国政府は22日、駐北京の米大使を呼び出したほか、予定されていた軍事協議を延期した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国で「南京大虐殺」の追悼式典、習主席は出席せず

ワールド

トランプ氏、次期FRB議長にウォーシュ氏かハセット

ビジネス

アングル:トランプ関税が生んだ新潮流、中国企業がベ

ワールド

アングル:米国などからトップ研究者誘致へ、カナダが
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 2
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ…
  • 5
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 6
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 7
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 8
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 9
    「体が資本」を企業文化に──100年企業・尾崎建設が挑…
  • 10
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中