最新記事

日本社会

東大生の親の6割以上は年収950万円以上

2018年9月5日(水)16時10分
舞田敏彦(教育社会学者)

東大生の家庭の収入は一般群と比較して著しく高い wnmkm/iStock.

<東大をはじめとした有力大学に入るには、幼少期からの塾通いや私立一貫校への進学など多額の教育投資が求められる>

日本の大学の学費は高い。今や国立でも年間授業料は50万円超、私立では設備費等も合わせると年間100万円を越えるのが普通だ。下宿生となると家賃等もかかるので、家庭の費用負担はもっと大きくなる。

大学生の家庭の平均年収は830万円で、国立は841万円、公立は730万円、私立は834万円だ。年収1000万円以上の割合は国立が29.2%、公立が20.3%、私立が25.7%となっている(日本学生支援機構『学生生活調査』2016年度)。

入試難易度が高い国立大学では富裕層の学生が多い。その頂点の東京大学に至っては、学生の家庭の年収階層は著しく偏っている。東京大学の『学生生活実態調査』という資料に、家庭の家計支持者(多くは父親)の年収分布が出ている。<図1>は、大学生の子がいる年代の男性(一般群)の分布と照合したものだ。年収階層の区切りがやや不自然だが、東大の資料に合わせている。

maita180905-chart01.jpg

東大生の親の62.7%が年収950万円以上だ。一般群では12.3%しかいないことを考えると、極めて高い比率と言える。職業をみると東大生の父親の43.4%は管理職で、こちらも一般群(3.6%)とは大きな隔たりがある。

東大はエリート官僚養成のために作られた帝国大学で、戦前期は入学資格が制限されていた(旧制中学・高校を経た男子限定)。今では万人に門戸が開かれているが、入学チャンスの階層的閉鎖性はいまだに強い。

現在は、個人の能力が重視される業績主義の時代で、「生まれ」がモノをいう属性主義は否定されている。しかしそれは形式上のことで、実際には後者が生きながらていることがしばしばある。上記のデータを単なる偶然と解釈する人はいないだろう。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米ミネソタ州とイリノイ州、移民取り締まり強化阻止へ

ワールド

ベネズエラ、囚人116人釈放と発表 人権団体は数字

ビジネス

エアバス、25年納入数は4%増の793機 首位維持

ワールド

ネット遮断のイラン、一部でスターリンク利用可能
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 2
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救った...実際の写真を公開、「親の直感を信じて」
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    衛星画像で見る「消し炭」の軍事施設...ベネズエラで…
  • 5
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    筋力はなぜパワーを必要としないのか?...動きを変え…
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 6
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 7
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 8
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 9
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中