今年最も公開が期待されるホラー映画を、いかにして10代の若者が監督することになったのか。

答えはもちろんインターネットだ。デジタル空間は今や若いクリエーターと成功のチャンスを結ぶ、最も重要な架け橋になっている。

だから製作会社A24が「バックルームズ」として知られるインターネット現象を映画化するに当たり、当時17歳のケイン・パーソンズを抜擢したのは自然な流れだった。

では映画の基になったバックルームズ現象とは何なのか。

2019年、匿名ネット掲示板4chanに、黄色いカーペットと黄色い壁紙に覆われた不気味な空間の画像が投稿された。続いて次の文章が投稿された。

「気を付けないと現実を『ノークリップ』し、バックルームズに迷い込む。そこにあるのは古く湿ったカーペットの悪臭と黄色一色の狂気、大音量で唸う なる蛍光灯のノイズ。そして空っぽの部屋が無秩序につながる約15億平方キロメートルの空間が、あなたをのみ込む。

何者かが徘徊する気配を感じたら、それは間違いなくあなたの存在に気付いている。神の救いがあらんことを」

投稿には、ネットで大きな現象を引き起こす確かな兆候が見られた。

つまり誰もが感じていたが説明できずにいた感覚に言葉とイメージを与え、自分だけのものだと思っていた不思議な体験に「バックルームズ」と名前を付け、掲示板を通じてそれが一般的な体験であることに気付かせたのだ。

恐怖を演出した「ゲーム用語」