最新記事

コーヒー

コカ・コーラ、英コーヒー大手コスタを5670億円で買収 スタバ、ネスレを追撃

2018年9月1日(土)10時38分

8月31日、米コカ・コーラは英コーヒーチェーン大手コスタを51億ドルで買収することで合意した。写真は4月、英ラフバラで撮影(2018年 ロイター/Darren Staples)

米飲料大手コカ・コーラが、英コーヒーチェーン大手コスタを51億ドルで買収することで合意した。高成長分野と位置付ける世界のコーヒー市場に切り込み、業界大手のスターバックス(スタバ)やネスレに攻勢をかける。

コカ・コーラは英ウィットブレッドから、コスタが英国・欧州で展開する約4000超の店舗を獲得する。コカ・コーラの供給網を通じコスタを拡充させることで、世界77カ国で約2万9000店舗を展開するコーヒーチェーン首位のスタバに挑む。

コカ・コーラのジェームズ・クインシー最高経営責任者(CEO)は、コスタがコーヒー豆からボトルコーヒーまで幅広い成長基盤を提供すると指摘。「コカ・コーラはこの成長分野において世界的な基盤を築いていない」と述べた。コカ・コーラは日本では缶コーヒー「ジョージア」を手掛けているが、世界的なブランドは確立していない。

ウィットブレッドは声明で、株主の最善の利益になるとして、取締役会が全会一致でコスタ売却に同意したと説明した。ウィットブレッドは1995年にコスタを1900万ポンドで買収。当時は39店舗にすぎなかった。

買収価格は、一部のアナリスト予想を約10億ポンド(13億ドル)上回る。アナリストの間からはコスタの年間利益の16.4倍の水準との指摘が聞かれた。

コカ・コーラのコスタ買収は、主要市場である米国ではスタバのほか、マクドナルドやコーヒーチェーンを展開する投資ファンドJABホールデングスへの脅威となる可能性がある。また、インスタントやパックコーヒーなど一連のコーヒー関連商品の世界最大手ネスレや英ユニリーバ、ボトル入りコーヒー飲料などを手掛けるスタバとペプシコの合弁事業の優位を脅かす可能性もある。

このニュースを受け、ウィットブレッドの株価は19%急騰し2年半ぶり高値を更新。コカ・コーラは約0.4%下落した。

[31日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20250225issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年2月25日号(2月18日発売)は「ウクライナが停戦する日」特集。プーチンとゼレンスキーがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争は本当に終わるのか

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、ウクライナ戦争終結へ何が可能か判断 18日外相

ワールド

ロシア副首相、OPECプラスの減産縮小延期を否定=

ビジネス

FRB、利下げにはインフレ低下の確信強まる必要=ボ

ワールド

西側諸国の存続には「自国優先」が不可欠=米下院議長
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞が浄化される「オートファジー」とは何か?
  • 2
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防衛隊」を創設...地球にぶつかる確率は?
  • 3
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VATも標的に
  • 4
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 5
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 6
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 7
    イスラム×パンク──社会派コメディ『絶叫パンクス レ…
  • 8
    ロシアの戦車不足いよいよ深刻...「独ソ戦」時代のT-…
  • 9
    ドイツ国防「問題だらけ、解決策皆無」「ドローンは…
  • 10
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 1
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だった...スーパーエイジャーに学ぶ「長寿体質」
  • 2
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 3
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン...ロシア攻撃機「Su-25」の最期を捉えた映像をウクライナ軍が公開
  • 4
    2025年2月12日は獅子座の満月「スノームーン」...観…
  • 5
    【徹底解説】米国際開発庁(USAID)とは? 設立背景…
  • 6
    イスラム×パンク──社会派コメディ『絶叫パンクス レ…
  • 7
    週に75分の「早歩き」で寿命は2年延びる...スーパー…
  • 8
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 9
    iPhoneで初めてポルノアプリが利用可能に...アップル…
  • 10
    【クイズ】今日は満月...2月の満月が「スノームーン…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 9
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 10
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中