最新記事

世界経済

米国株式が大幅続落、ダウ1600ドル安で過去最大の下げ幅

2018年2月6日(火)09時17分

2月5日、米国株式市場は荒い値動きの中、大幅続落して取引を終えた。ダウ工業株30種は一時1600ドル近く下げ、日中の下げとしては過去最大を記録した。ニューヨーク証券取引所で撮影(2018年 ロイター/Brendan McDermid)

米国株式市場は荒い値動きの中、大幅続落して取引を終えた。ダウ工業株30種は一時1600ドル近く下げ、日中の下げとしては過去最大を記録した。最高値からの下落が加速し、S&P総合500種とダウ工業株30種は2011年8月以来の大幅な下落率となった。

幅広い銘柄が売られたが、S&P金融株<.SPSY>、ヘルスケア株<.SPXHC>、工業株<.SPLRCI>の下げが特にきつかった。S&P総合500種を構成する11主要セクターはいずれも少なくとも1.7%下げた。ダウ工業株30種を構成する30銘柄すべてがマイナス圏で取引を終えた。

S&P総合500種は今年の上昇分を失い、年初来0.9%安となっている。

2日に発表された1月米雇用統計を受け、インフレや国債利回り上昇に対する懸念や、米連邦準備理事会(FRB)が予想より速いペースで利上げするとの見方が広がった。

ジョーンズトレーディングの首席市場ストラテジスト、マイケル・オルーク氏は「(相場は)これまで驚くほど上昇してきた」とし、「金利は上昇する環境にある。経済が力強さを増していることからFRBは引き締めを続ける。実質的な変化が起きており、投資は調整している」と述べた。

S&P総合500種は、1月26日に付けた最高値から7.8%下落。ダウは8.5%下落。

ダウは一時は1597ドル下げ6.3%安となったが、その後下げ幅を縮小した。節目の2万5000ドルと2万4000ドルを割り込む場面もあった。

投資家の不安心理の目安とされるボラティリティ・インデックス(VIX)<.VIX>は2015年8月以来の水準に上昇した。

ブライト・トレーディングのトレーダー、デニス・ディック氏は、「市場心理はきょう転換した。安値拾いをしていた投資家は売りを膨らませることになる。市場心理の回復には時間がかかるだろう」と述べた。

米取引所の合算出来高は約115億株。直近20営業日の平均である76億株を大きく上回る水準。

ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を8.64対1の比率で上回った。ナスダックでも6.92対1で値下がり銘柄数が多かった。

S&P総合500種構成銘柄では、1銘柄が52週高値を更新し、38銘柄が安値を更新。ナスダック総合構成銘柄では17銘柄が新高値を付け、164銘柄が新安値を付けた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエルがイラン再攻撃計画か、トランプ氏に説明へ

ワールド

プーチン氏のウクライナ占領目標は不変、米情報機関が

ビジネス

マスク氏資産、初の7000億ドル超え 巨額報酬認め

ワールド

米、3カ国高官会談を提案 ゼレンスキー氏「成果あれ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦い」...ドラマ化に漕ぎ着けるための「2つの秘策」とは?
  • 2
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 6
    70%の大学生が「孤独」、問題は高齢者より深刻...物…
  • 7
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 8
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 9
    ロシア、北朝鮮兵への報酬「不払い」疑惑...金正恩が…
  • 10
    ウクライナ軍ドローン、クリミアのロシア空軍基地に…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中