最新記事

米朝関係

ロシア大統領報道官「北朝鮮と米国の対話仲介する用意」

2017年12月27日(水)15時25分

12月26日、ロシアのペスコフ大統領報道官(写真)は、米国と北朝鮮が望めば、ロシアには両国間の対話を仲介する用意があることを明らかにした。モスクワで5月撮影(2017年 ロイター/Maxim Shemetov)

ロシアのペスコフ大統領報道官は26日、米国と北朝鮮が望めば、ロシアには両国間の対話を仲介する用意があることを明らかにした。

ペスコフ報道官は記者団との電話会見で「ロシアに緊張緩和への道を開く用意があることは明白だ」と述べた。

ロシアはこれまでも北朝鮮の核・ミサイル開発を巡る緊張の緩和に向け米国と北朝鮮に対話を促しており、ロシア通信(RIA)によるとラブロフ外相は前日、米朝に交渉を開始するよう呼び掛け、ロシアに交渉を仲介する用意があるとの姿勢を示している。

ラブロフ外相は26日、米国のティラーソン国務長官と電話会談を行い、「米国の挑戦的なレトリック」と周辺地域における軍事力強化により朝鮮半島の緊張が高まっており、こうしたことは容認できないとの考えを伝えた。ロシア外務省は声明で、「制裁から交渉プロセスに迅速に移行することの必要性が強調された」とした。

国連安全保障理事会は22日、北朝鮮が11月に新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射したことを受け、同国に対する追加制裁決議案を全会一致で採択。これに続き米国はこの日、北朝鮮のICBM開発に関与したとして同国の高官2人に対する制裁措置を発表している。

一方、米国務省のヒギンス報道官は26日、ロシアが米国と北朝鮮間の緊張緩和に向け対話を仲介する用意があると表明したことについて、「米国はあらゆる外交手段を通じ北朝鮮と接触する用意がある」と述べた。

ヒギンス氏は「流れを変え、信用されるような交渉の場に戻るかどうかは北朝鮮次第だが、別の選択肢もあるということを理解してほしい」と述べた。

同じく米国務省のケービー報道官は「米国は引き続き交渉の用意があるが、非核化や一段の緊張回避に向け誠実で意味のある行動を取るべき義務は北朝鮮側にある。北朝鮮が現時点で対話に関心がないのは明白だ」と述べた。

韓国統一省は26日、北朝鮮は事実上の核保有国と認めさせる取り組みを続ける一方で、来年は米国との対話に向けて動き出すとの見通しを示していた。

[ワシントン/モスクワ 26日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


ニューズウィーク日本版のおすすめ記事をLINEでチェック!

linecampaign.png

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、ワシントンの犯罪取り締まりで逮捕者らの給付金不

ワールド

フィンランド、米国との二国間の軍事協力は深化=国防

ビジネス

航空連合ワンワールド、インドの提携先を模索=CEO

ワールド

トランプ米政権、電力施設整備の取り組み加速 AI向
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の物体」にSNS大爆笑、「深海魚」説に「カニ」説も?
  • 2
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 5
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 6
    アジア作品に日本人はいない? 伊坂幸太郎原作『ブ…
  • 7
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 8
    「ゾンビに襲われてるのかと...」荒野で車が立ち往生…
  • 9
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 10
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 9
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 10
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 5
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 6
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中