最新記事

イラク

ISIS戦闘員を虐殺する「死の天使」

2017年6月15日(木)14時00分
トム・オコナー

謝罪を迫られたこともある。昨年ISIS戦闘員の死体を燃やす動画が拡散されたとき、ソーシャルメディアで激しい批判にさらされたのだ。しかも動画は、シーア派民兵やイラク政府軍の報復を恐れるイラクのスンニ派住民を震え上がらせた。アズラエルは自分たちの敵はISISの戦闘員だけだと説得しなければならなかった。

【参考記事】ISIS「人間の盾」より恐ろしい?イラク軍によるモスル住民への報復

「我々は平和的な存在には何ら脅威を与えない」とアズラエルは言った。「我々はカタイブ・アル・イマーン・アリとイラク政府軍の部隊で構成されており、敵はダーイシュ以外の何者でもない。ダーイシュをイラクにとどまらせたい者など誰一人いないはずだ」

何があろうと、アズラエルは使命に忠実だ。ISISを「小麦粉になるまで」粉々にする、と彼は言う。ISISの壊滅後は、スンニ派や少数派のヤジディ教徒も加わったとされるカタイブ・アル・イマーン・アリはあらゆる部族と協力して、ISISの復活を阻止すると言った。

【参考記事】民族消滅に近づくイラクの少数派

「イラクをISISから解放したら、奴らが決して戻らぬようにする」と、アズラエルは言った。「世界がISISの犯罪を目撃し、我々を支援してくれることを望む」

(翻訳:河原里香)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米クラウドフレアで一時障害、XやチャットGPTなど

ワールド

エプスタイン文書公開法案、米上下院で可決 トランプ

ビジネス

トヨタ、米5工場に1400億円投資 HV生産強化

ビジネス

ホーム・デポ、通期利益見通し引き下げ 景気不透明で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影風景がSNSで話題に、「再現度が高すぎる」とファン興奮
  • 4
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 5
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    「嘘つき」「極右」 嫌われる参政党が、それでも熱狂…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「日本人ファースト」「オーガニック右翼」というイ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中