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日本の100億円緑化事業が遊牧民の自然を破壊する

2015年12月28日(月)17時30分
楊海英(本誌コラムニスト)

 だが近代に入り、内モンゴルには新しい砂漠が出現した。中国の農民が万里の長城を越えて侵略し、農耕に不向きな草原を無理やり田畑に変えたからだ。砂漠化をこれ以上防ごうと思えば、木を植えるのではなく、中国が草原開墾を続けるのを中止するよう呼び掛けるべきだ。

 一方、近年の科学は自然の力強さを明らかにした。モンゴルの草原には巨木が1~2本立つ地がある。巨木の周囲は決まって草も育たず、小さな黄色い砂丘に囲まれ、まるで草の海が円形に脱毛したかのようだ。

 実はこうした木は人の手で植えられたわけではない。乾燥地の木は自らの力で地中深くまで根を下ろし、水分を吸い取るので周りの草が死んでいく。巨木は命あるものをのみ込む恐ろしい対象として遊牧民に崇拝され、大事にされている。

 善良なる緑化団体も、それを支援する日本政府も、人の手に頼らずに長年培われてきた自然の偉大さを前に事業の見直しが求められている。

[2015年12月22日号掲載]

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