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国際結婚

国際結婚のダークサイド 夫に親権を奪われそうになった日本人妻の告白

2019年05月20日(月)18時00分
岩澤里美(スイス在住ジャーナリスト)

異国の地で離婚するのは想像以上の苦労が伴うことも(写真はイメージ) Hakase_-iStock

<国境を超え、愛が結ばれた時の感動は素晴らしいものかもしれない。しかし水を差すようだが、国際結婚に踏み切る前には、最悪のケースの場合の対応についても理解をしておいたほうがいい>

国際結婚で海外に住み、子供が生まれる夫婦は多い。結婚生活は山あり谷ありが当たり前とはいえ、別居や離婚など、夫婦関係に大きな亀裂が入ると日本人妻が不利になることは少なくない。スイスにも、そんな例はある。スイスに住む菜々さんは、スイス人の夫マルコさんから徐々に精神的な苦痛を与えられ、結婚8年で自殺寸前まで追い詰められた(名前は仮名)。2人の間には子供が1人いる。

夫の人格障害で、嫌がらせが続いた日々

菜々さんは「本当に、運命的なめぐり逢いでした」と出会ったころを思い出す。結婚後も万事順調に進み、幸せそのもの。時々泊まりがけで遊びに来ていた義父母とも仲がよかった。義父は毎度のように「この子と結婚してもらって、申し訳ない」と菜々さんに言った。菜々さんは、義父がなぜそんなことを言うのかまったく理解できなかったが、深く追究しなかった。

マルコさんは、飲酒したとき異様なまでに威圧的な雰囲気を出したり、「菜々がここにいるのは、子供を産むためだから」と言って見下すような一面を見せたこともあったが気にしなかった。それらは本当に数える程度だったし、翌日にはとても優しく愛すべき夫に戻っていたからだ。しかし、状況は少しずつ変わり始めた。

暴力をふるうことはなかったものの、菜々さんにあの手この手で嫌がらせをした。詳しくは書けないが、奇異な言動で菜々さんの気持ちを非常に傷つけた。まるでマルコさんの中に別人がいるようだった。

が、そんな言動がエスカレートしていっても、菜々さんは、自分はマルコを支えないといけない、この先もずっと一緒だと信じていた。義理の親・きょうだいはマルコさんの二重人格的な言動を隠していた。菜々さんがのちに我に返ったとき、義父母は「あの子は魔物のようです」と打ち明けた。義父が毎度のように言っていた言葉の文脈が、そのとき、ようやくわかった。なお、マルコさんは職場では逸材で、周囲からの評価は高い。

長期の里帰りを勧めた夫

性格も関係しているが、家庭内の事情は親しい友だちにもなかなか話しにくいものだ。菜々さんもそうだった。すべてを自分で抱え込み、夫の奇行は、私がよくないことをしているからだと思い込むようになっていった。菜々さんは、このころ、自分は生きている意味がないかもというところまで追い詰められていた。ただ1つのブレーキは「子供を残しては死ねないという思いでした」と当時を振り返る。

元気をなくしていく菜々さんに、マルコさんは「精神科に行った方がいい」と勧めた。菜々さんは精神科医からの投薬は必要ないと自分で判断して、心理士のもとで定期カウンセリングを受けることに決めた。

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