宇宙に満ちる謎の物質、ダークマター...その正体のカギを握る「クラウド・ナイン」の正体とは?
Astronomers on ‘Cloud-9’ After Discovering First-of-Its-Kind Space Object
宇宙にはまだまだ謎がある Artsiom P-shutterstock
<銀河の「遺物」ともいえる「クラウド・ナイン」は、史上初めて観測された天体だ>
天文学者たちは、他に類を見ない宇宙の天体を発見し、有頂天だ。地球から1400万光年離れた場所に位置する、銀河形成の初期段階の「遺物」とみられる特異な天体を発見したためだ。
NASAは「この種の天体が確認された初めての事例」と述べている。
ハッブル宇宙望遠鏡を用いて発見され、「クラウド・ナイン」と名付けられたこの天体の正体は、「星を持たない、ガスやダークマター(暗黒物質)に満ちたガス雲」だ。NASAはこの発見について、「銀河の形成、初期宇宙、そしてダークマターそのものの本質に対する理解を深めるもの」とした。
この発見は、米アリゾナ州フェニックスで開催された第247回アメリカ天文学会の会合で1月5日に発表され、米学術誌『アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ』誌にも掲載された。
「このガス雲は、ダークマターに満ちた宇宙を解明するための手がかりだ」と欧州宇宙機関の天文学者、アンドリュー・フォックスは語る。
「理論上、宇宙に存在する質量の大半はダークマターだと考えられている。しかし、このダークマターは光を発しないため、検出が極めて困難だ。クラウド・ナインは、ダークマターを主成分とするガス雲を観察できる貴重な機会となる」
イタリアのミラノ・ビコッカ大学のアレハンドロ・ベニテス=リャンバイ教授(天体物理学)は、「これは、銀河として形成されることのなかった天体だ」と語った。
「科学では、成功よりも失敗から学ぶことの方が多い。今回のケースでは、星が存在しないという事実こそが理論を裏づける証拠となる。宇宙の比較的近くに、形成されずに終わった銀河を発見したのだ」
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