「クラウド・ナイン」もいつか銀河になる?

「失敗した銀河」は通常の光輝く星や銀河の観測では捉えにくい、ダークマターの正体を解明する手掛かりになりうる。

そして、クラウド・ナインは他にも「失敗した銀河」が宇宙に存在する可能性を示した。

「クラウド・ナインは、星と無関係な構造物や謎の存在を示す一例だ。ただ星を観るだけでは、全体像を把握することはできない」とNASAは述べた。

「ガスやダークマターを研究すれば、ガス雲の中で何が起きているのかを、より理解できるようになる」

直径4900光年に及ぶクラウド・ナインの中心部は中性水素で構成されている。天文学者らは、クラウド・ナインに含まれる水素ガスの質量は太陽の約100万倍と見積もっている。

クラウド・ナインは、渦巻銀河「メシエ94(M94)」の外縁部で発見された9番目のガス雲であることから、クラウド・ナインはM94と物理的に関連しているようにも見える。

NASAはクラウド・ナインについて、「将来的により質量を増すことができれば、銀河として形成される可能性もある。もっとも、それがどのように起きるのかは、議論の余地がある」と語った。

銀河のなりそこないが、宇宙の謎を解き明かす日が来るのかも?

【参考文献】

Anand, G. S., Benítez-Llambay, A., Beaton, R., Fox, A. J., Navarro, J. F., & D'Onghia, E. (2025). The First RELHIC? Cloud-9 is a Starless Gas Cloud. The Astrophysical Journal Letters, 993(2)

【関連記事】
【動画】初めてとらえられた新種の天体「クラウド・ナイン」
【写真】100年以上の時を経て、ついに観測されたダークマターの姿

ニューズウィーク日本版 台湾有事の新シナリオ
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由

※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます