最新記事
健康

「カロリーゼロ」が脳を混乱させる可能性...研究者が警鐘【最新研究】

America's Favorite Sweetener May Have Hidden Cost, Scientists Warn

2025年4月7日(月)09時25分
ルーシー・ノタラントニオ
人工甘味料

Iryna Imago-shutterstock

<人工甘味料と脳の関係について、南カリフォルニア大学(USC)の研究チームが新発見>

「カロリーゼロ」という言葉の響きは魅力的かもしれない。しかし、人工甘味料によって、かえって空腹感を増す可能性があることが最新研究で判明した。

糖分とカロリー摂取を抑えるため、多くの人が人工甘味料を含む食品を選んでいる。アメリカ食品医薬品局(FDA)によると、中でも特に人気が高いのが、砂糖の約600倍の甘さのあるスクラロースだ。


 

南カリフォルニア大学(USC)の研究チームは、スクラロースが視床下部(空腹を制御するホルモンを生成する脳の部位)の働きに影響を及ぼし、動機づけに関与する他の脳領域との関係を変化させていることを発見した。

低カロリー甘味料と体重増加の関連性については先行研究でも指摘されてきたが、どのように空腹感に影響を及ぼすのかは明らかではなかった。

今回の研究では、人工甘味料スクラロースが脳、ホルモン、空腹感にどのような影響を与えるかを調査。

健康体型、過体重、肥満の被験者を含む75人の被験者(男女比同じ)が、水、スクラロース入り飲料、砂糖入り飲料のいずれかを摂取し、摂取前後の脳の活動、血液、空腹感のレベルが測定された。

その結果、スクラロースは特に肥満の人の空腹感を高め、脳の空腹を制御する部位の活動を増加させることが判明した。一方で、砂糖とは異なり、満腹感をもたらすホルモンの分泌は促さなかった。

本研究の共著者であるキャスリーン・ペイジ(Kathleen Page)准教授は次のように指摘する。

ビジネス
「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野紗季子が明かす「愛されるブランド」の作り方
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ポンド下落、英中銀の利下げを確実視

ワールド

米国防権限法案、上院で可決 過去最大の9010億ド

ワールド

米財務長官、FRB議長候補ハセット氏への懸念を「ば

ワールド

ゼレンスキー氏「戦争継続が無意味と示す必要」、同盟
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】「日の丸造船」復権へ...国策で関連銘柄が軒…
  • 9
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 10
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 10
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中