トランプ関税も恐れぬ「韓国コスメ」...アメリカ市場での勝算は「価格×SNS×カルチャー」

6月6日、 化粧品やスキンケア用品を手がける韓国のスタートアップ企業は米国事業拡大に動きつつある。写真はソウルのティルティル店舗前で5月撮影(2025年 ロイター/Kim Soo-hyeon)
化粧品やスキンケア用品を手がける韓国のスタートアップ企業は米国事業拡大に動きつつある。オンライン販売の成功で自信をつかみ、実店舗での販売に手を広げる方針で、大衆的な人気を武器にトランプ米政権の関税措置に伴う逆風を克服できると期待している。
「ティルティル」「ダルバ」「トリデン」「ビューティー・オブ・ジョセン」などのブランドは現在、米国の主要小売り事業者との間で店舗販売に向けて協議中と各社幹部がロイターに明かした。
いわゆる「韓国コスメ(Kビューティー)」商品は品質、価格、洒落た広告などの点で国際競争力を備えている上、音楽や映画、テレビ番組など韓国文化の人気もプラスに働いている。
ティルティルのアン・ビュンジュン最高経営責任者(CEO)は「(Kポップの)BTS、韓国ドラマや『パラサイト』などの映画作品に代表される韓国文化が道を開いてくれた」と話す。
アン氏は「米国市場では既に韓国への関心が高まっており、そこに韓国コスメが参入した。品質が良いだけでなく、価格はロレアルやエスティー・ローダーといった既存の高級ブランドに比べると安い」と強調した。
ティルティルが一躍有名になったのは昨年、インターネットでの口コミを通じて暗い色の肌用のクッションファンデーションのオンライン販売が急増したためだ。アン氏は、この夏に米最大の美容小売りチェーン、アルタ・ビューティーの一部店舗でこの商品を販売するとロイターに説明し、今年の米国での売上高倍増を狙っていると付け加えた。