最新記事

一帯一路

中国、アフリカサハラ以南をインフラ支援で制圧 米独仏日の合計額の2倍と圧倒

2022年2月9日(水)16時14分
中国国旗

中国国家開発銀行と中国輸出入銀行が2007─20年にアフリカのサハラ以南地域のインフラ事業に供与した資金は230億ドルと、米国、ドイツ、日本、フランスの開発金融機関による支援額の合計の2倍以上に膨らんだ。写真は中国旗。北京市内で2020年4月に撮影(2022年 ロイター/Thomas Peter)

中国国家開発銀行と中国輸出入銀行が2007─20年にアフリカのサハラ以南地域のインフラ事業に供与した資金は230億ドルと、米国、ドイツ、日本、フランスの開発金融機関による支援額の合計の2倍以上に膨らんだ。シンクタンクのグローバル開発センター(CGD)が調査結果をまとめた。

同地域の535件の官民インフラ事業を調査した結果、中国が投資額で他国や国際開発金融機関を圧倒したことが判明したという。

調査報告を執筆したCGDのナンシー・リー氏は、同地域の事業への公的資金供与額は90億ドル程度にとどまり、道路やダム、橋といったインフラ構築に必要な額に全く達していないと指摘。

「中国について多くの批判があるが、西側諸国が生産的で持続可能な投資を意味のある水準まで拡大したいのならば、自国の開発金融機関を動員し、国際開発金融機関にそういった投資を優先して行うよう促す必要がある」と述べた。

中国の国家開発銀と輸出入銀が同地域に230億ドルを支援したのに対し、その他の主要な開発金融機関による供与額は91億ドルにとどまったという。

米国際開発金融公社(DFC)による同地域のインフラ事業への融資額は19億ドルだった。

世界銀行など国際開発金融機関が16─20年に同地域の官民インフラ事業に供与した額は、年平均で14億ドルだった。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:好調スタートの米年末商戦、水面下で消費揺

ワールド

トルコ、ロ・ウにエネインフラの安全確保要請 黒海で

ワールド

マクロン氏、中国主席と会談 地政学・貿易・環境で協

ワールド

トルコ、ロシア産ガス契約を1年延長 対米投資も検討
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与し、名誉ある「キーパー」に任命された日本人
  • 3
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 4
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 7
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 8
    台湾に最も近い在日米軍嘉手納基地で滑走路の迅速復…
  • 9
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 10
    見えないと思った? ウィリアム皇太子夫妻、「車内の…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中