SPECIAL ADVERTISING SECTION

自分を創る音の風景

vol.2 歌舞伎俳優 中村七之助さん

2014年04月22日(火)12時01分

中村七之助さん3

──今後、歌舞伎の世界のなかでどのような役割を果たしていきたいとお考えですか?
「僕自身、歌舞伎の将来について考えることはあるし、危機的状況だとは思います。歌舞伎を見るという行為が日常的なものじゃなくなってるし、かといって歌舞伎は伝統芸能ではないと思ってるんですね。今を生きていないと歌舞伎じゃないし、博物館で保存されるべきものじゃないんです。せっかく舞台を見てくださった若い方には〈歌舞伎を見てきた〉という感想だけで終わっていただきたくないんですよね。毎月公開されている新しい映画のように、歌舞伎も日常の感覚で楽しんでいただきたい。そのぶん自分たちも気を引き締めていかないとダメだと思うんですね。今の民家には畳や襖、障子がないわけで、歌舞伎の世界がどんどん非日常的なものになりつつある。そこで僕らががんばらないと、国に保存されるものになってしまうんですね。それでいいと思う方もいるでしょうけど、僕はそうは思いません」

──余談ですが、カラオケがご趣味と伺ったんですが......。
「いやいや、趣味じゃないですよ(笑)。若いときはよく行きましたけど、今は全然行かないですね。自分でもこうも行かなくなるのか、と思いますけど」

──プライヴェートで音楽を聴くことは?
「昔から基本的に無音が好きなんです。ほとんどテレビを見なかった子どもなので、それは当時から変わらない。ただ、空いた時間にDVDで映画やミュージカルを観ることは多いです」



PROFILE
中村七之助(なかむらしちのすけ)◎歌舞伎俳優

中村七之助さんポートレイト1983年東京生まれ。父は故・十八代目中村勘三郎。87年に兄の勘太郎(当時)とともに『門出二人桃太郎』で初舞台。女形として数々の歌舞伎演目で大役を演じ評価を得ている。歌舞伎以外でも映画・テレビドラマ・バラエティと幅広く活躍中。

Supported by PHILIPS Fidelio
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 5
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 6
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ…
  • 7
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 8
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 9
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 10
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中