コラム

人権以上? スイス「四つ足市民」権利

2010年03月13日(土)11時00分


 スイスで7日、重要法案(?)の国民投票が行われた。「ある特定の原告」に専門の国選弁護士をつけるべきか、と国民に問うものだったらしい。その原告とは......動物だ。

 動物虐待や遺棄などを犯した人々を正式に罰するため、動物側代理人として弁護士が必要――そんな支援者たちの声が高まり、ついに国民投票が実施されることに。英BBCの報道によれば、実はチューリッヒには既に州選出の動物弁護人が存在し、数々の声なき原告のために勝手に法廷で戦っている。顧客は犬や猫などのペットから豚や馬などの家畜、チューリッヒ湖で獲れた魚まで。判決が出る前に腐ってしまわないのか疑問だ。

 もちろん国民投票の結果、この提案は否決された。否決の理由の1つは、財政的な問題らしい。全国的に動物を原告とした裁判が行われることになれば弁護費用がかさみ、納税者に負担がのしかかる、というもの。まともすぎる理由で驚きだ。

 否決されたもう1つの理由は、「スイスの動物たちは既に、世界一手厚い法律で守られているから」。例を挙げると、豚や金魚などの群生動物は、孤立させることを禁じる。馬と牛は屋外での定期的な運動をさせなければならない。犬の飼い主はペットの扱い方について講習の受講が義務付けられる......。

 国選弁護人がつくことになっていたら、スイスの動物たちはこれ以上どんな権利を勝ち取ることになっていたのだろう。

――編集部・高木由美子

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