豪、ミサイル国産化計画に遅れも ウクライナ戦争や欧州防衛費増額で
オーストラリアは巨額を投じて長距離ミサイルの獲得を進める中、ウクライナ戦争と欧州の防衛費増額により、独自のミサイル部品能力を開発する計画が遅れる可能性が高い。写真はマールズ豪国防相ら。オーストラリア国際航空ショーで24日撮影。(2025年 ロイター/Kirsty Needham)
Kirsty Needham
[アバロン(オーストラリア) 27日 ロイター] - オーストラリアは巨額を投じて長距離ミサイルの獲得を進める中、ウクライナ戦争と欧州の防衛費増額により、独自のミサイル部品能力を開発する計画が遅れる可能性が高い。
オーストラリア国際航空ショーに集まった防衛業界幹部らは、世界的なミサイル部品の不足と高い需要に加え、オーストラリアでサプライヤーの能力を向上させる必要性から、同国で生産に国内部品が使用されるペースは緩やかなものになると指摘する。
アルバニージー首相は昨年、中国の軍備増強に対応するため、ミサイル購入とミサイル防衛に740億豪ドル(470億米ドル)を投じると表明した。このうち210億豪ドルが国内製造態勢の整備に充てられる。
同国は世界的な供給問題に備え、ロッキード・マーチン、コングスベルグ、レイセオンなど欧米防衛企業と一連の契約を締結した。
コングスベルグ・オーストラリアのゼネラルマネジャー、ジョン・フライ氏は、ミサイルのサプライチェーン(供給網)の一部ではオーストラリアが現在保有する以上の生産能力が必要だと指摘した。
また、ロッキードのミサイル・ファイアーコントロール事業責任者、ティム・ケーヒル氏はオーストラリアが北部国境の防衛に取得を望む極超音速ミサイルについて、「長期的および短期的な解決策」を同国と協議していると述べた。
「長距離攻撃と極超音速ミサイル、つまり長距離高速攻撃と非常に生存性の高い攻撃が明らかに優先事項だ」と語った。
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