ニュース速報
ワールド

ベトナム進出の米企業、関税発動ならレイオフ 製造業の3分の2が予想

2025年02月20日(木)14時31分

在ベトナムの米商工会議所が実施した調査によると、ベトナムに進出している米国メーカーの3分の2近くは、トランプ政権がベトナムに関税を発動した場合、レイオフを余儀なくされる可能性が高いと答えた。写真はベトナムにある靴工場。2020年12月撮影(2025年 ロイター/Kham)

Francesco Guarascio

[ハノイ 20日 ロイター] - 在ベトナムの米商工会議所が実施した調査によると、ベトナムに進出している米国メーカーの3分の2近くは、トランプ政権がベトナムに関税を発動した場合、レイオフを余儀なくされる可能性が高いと答えた。

調査は2月4─11日にインテル、ナイキなど大手多国籍企業を含む100社以上を対象に実施した。

製造業では全体の3分の2近く、全業種では半数弱の企業がレイオフを必要になる可能性が高いとの見方を示した。

全体の81%は関税のリスクに懸念を表明。製造業では92%が懸念を示した。

米商工会議所は「多くの企業が関税によるコスト増加でサプライチェーンが混乱し、事業の見直しを迫られるのではないかと懸念している」と指摘。製造業の94%が悪影響を予想していると述べた。

また全体の41%は米国市場からの事業の多角化を検討。「こうしたシフトにより、企業は輸出を他の市場に振り向けたり、サプライチェーンを調整して米国への依存度を下げる可能性がある」と述べた。

1月末時点のベトナム政府の統計によると、同国への外国投資(ストックベース)の6割以上は製造業の分野で行われている。

複数のアナリストによると、ベトナムは対米貿易黒字が米貿易相手国の中で4番目に大きいため、米国の関税の標的になる可能性がある。特に半導体の対米輸出が多く、半導体関税が打撃になる恐れがあるという。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、鉄鋼・アルミ関税50%に引き上げ表明 

ワールド

日鉄は「素晴らしいパートナー」とトランプ氏、買収承

ビジネス

アングル:トランプ関税、世界主要企業の負担総額34

ワールド

マスク氏、政府職を離れても「トランプ氏の側近」 退
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が知らないアメリカの死刑、リアルな一部始終
  • 3
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシストの特徴...その見分け方とは?
  • 4
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 5
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言…
  • 6
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 7
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 8
    ワニにかまれた直後、警官に射殺された男性...現場と…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」時代の厳しすぎる現実
  • 3
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が知らないアメリカの死刑、リアルな一部始終
  • 4
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 5
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 6
    アメリカよりもヨーロッパ...「氷の島」グリーンラン…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    デンゼル・ワシントンを激怒させたカメラマンの「非…
  • 9
    友達と疎遠になったあなたへ...見直したい「大人の友…
  • 10
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中