ニュース速報
ワールド

英政府、雇用法改正案を提出へ 「つながらない権利」認める

2024年10月10日(木)20時04分

英国の労働党政権は10日、解雇・再雇用慣行の廃止や疾病手当の増額などを盛り込んだ、「一世代に一度」の雇用法改正案を公表した。ロンドン金融地区で7月撮影。(2024年 ロイター/Hollie Adams/File Photo)

[ロンドン 10日 ロイター] - 英国の労働党政権は10日、解雇・再雇用慣行の廃止や疾病手当の増額などを盛り込んだ、「一世代に一度」の雇用法改正案を公表した。同日議会に提出する。

雇用初日から育児休暇や傷病手当に関する新たな権利を付与し、労働者に労働時間を保証しない「搾取的な」ゼロ時間契約を禁止するなど、数百万人の労働者の保護を唱っている。

しかし、いくつかの重要な詳細はまだ調整中で、政府は選挙前の公約の一部を撤回したもよう。

その一方で、時間外の業務連絡を制限する「つながらない権利」や、労働者のカテゴリー統一について協議するとしている。これにより一部の従業員を自営業者として分類する慣行がなくなり、企業は社会保障費などのコストを節約できるようになる。

この法律は7月の総選挙で政権を奪取したスターマー首相にとって最大の改革となる。政府は過去2年間にわたって公共サービスを混乱させてきた広範な労働争議を回避する最善の方法と訴えている。

レイノルズ・ビジネス貿易相は声明で「従業員が職場で幸せであれば、生産性が向上することを最高の雇用者は知っている」と指摘。「今回の改正により法律が現代生活に適合し、生活水準が向上し、企業・労働者・地域社会に機会と安全が提供される」と強調した。

政府は改革の大部分が2026年以前に施行されるとしている。

同法案は労働組合や企業団体などからおむね歓迎されているが、労組ユナイトはゼロ時間契約が完全に禁止されず、労働者が労働組合に参加できる規則を弱めているとして不十分と批判した。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

豪中銀、経済見通し巡るリスクに警戒 指標はほぼ予想

ワールド

メキシコ経済、来年の成長率は緩やかに改善へ=IMF

ワールド

マクロスコープ:「減税」競う自民総裁選、フランスの

ビジネス

午前の日経平均は反発、680円高 米株高や円安を好
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 2
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがたどり着ける「究極の筋トレ」とは?
  • 3
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分かった驚きの中身
  • 4
    トランプに悪気はない? 英キャサリン妃への振る舞い…
  • 5
    「ミイラはエジプト」はもう古い?...「世界最古のミ…
  • 6
    【動画あり】トランプがチャールズ英国王の目の前で…
  • 7
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 8
    「より良い明日」の実現に向けて、スモークレスな世…
  • 9
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 10
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 3
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分かった驚きの中身
  • 4
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 5
    【動画あり】トランプがチャールズ英国王の目の前で…
  • 6
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがた…
  • 7
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 8
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 9
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 10
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 6
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中