メキシコ司法改革を上院承認、判事公選制に 法の支配や経済に懸念
メキシコの議会上院は11日未明、12時間以上に及ぶ審議の末、裁判所判事の公選制などを盛り込んだ司法制度改革案を承認した。野党の反対で紛糾した上院での審議、10日撮影。(2024年 ロイター/Luis Cortes)
[メキシコ市 11日 ロイター] - メキシコの議会上院は11日未明、12時間以上に及ぶ審議の末、裁判所判事の公選制などを盛り込んだ司法制度改革案を承認した。司法改革を推進してきたロペスオブラドール大統領にとって勝利となるが、法の支配が脅かされ経済に打撃を与えるとの懸念がでている。
下院はすでに承認しており、官報掲載をもって施行となる。
上院では賛成86、反対41で必要な3分の2の票を得て可決した。与党連合は1議席足りなかったが、野党議員のうち1人が賛成し、もう1人が欠席した。欠席議員は投票阻止のため拘束されたとの疑惑がでている。
改革案について、ロペス・オブラドール大統領とシェインバウム次期大統領は、裁判官の責任追及と汚職撲滅に不可欠と説明しているが、国内で数週間にわたり抗議活動が行われている。また米国とカナダが「USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)」への悪影響に懸念を示し、市場でも通貨ペソの圧迫要因になっていた。