エジプト境界に監視システム設置、ガザ停戦協議で浮上 軍駐留の代案
7月12日、 エジプト筋などによると、パレスチナ自治区ガザの停戦に向けたイスラエルとエジプトの交渉担当者は、停戦合意に達した場合に、ガザとエジプトの境界沿いに電子監視システムを導入し、イスラエル軍は撤退する案を協議している。写真は9日、ガザとの境界近くで砲撃を行うイスラエル軍(2024年 ロイター/Amir Cohen)
Ahmed Mohamed Hassan Maayan Lubell Maayan Lubell
[カイロ 12日 ロイター] - エジプト筋などによると、パレスチナ自治区ガザの停戦に向けたイスラエルとエジプトの交渉担当者は、停戦合意に達した場合に、ガザとエジプトの境界沿いに電子監視システムを導入し、イスラエル軍は撤退する案を協議している。
イスラエル軍の駐留は停戦合意を妨げている問題の一つ。イスラエルと戦闘中のイスラム組織ハマスと、協議の仲介役であるエジプトはともに、イスラエル軍が境界に駐留し続けることに反対している。
イスラエルは、もしイスラエル軍が境界一帯「フィラデルフィ回廊」から撤退した場合に、ハマスの武装組織がエジプトからトンネルを経由してガザに武器や物資を密輸入し、再武装して再びイスラエルを攻撃する可能性を懸念している。
一方で監視システムは、交渉の当事者が詳細で合意すれば、停戦合意への障害を取り除く可能性がある。
関係筋が匿名を条件に語ったところでは、協議されているのは基本的にフィラデルフィ回廊のエジプト側に設置されるセンサーで、トンネルなど、武器や人をガザに運び込もうとする手段を探知することが狙い。人質取引で重要な要素になるという。
エジプト安全保障筋は匿名を条件に、イスラエルの交渉担当者はハイテク監視システムについて言及したと明らかにした。エジプトはこの監視システム導入案について、米国が支援し、費用を支払うなら、反対しないという。ただ同関係筋は、エジプトは先の和平条約で定められたイスラエルとの国境協定の変更には応じないとの見方を示した。
<イスラエルは否定>
イスラエル首相府は、ロイターの報道後、イスラエルがフィラデルフィア回廊からの撤退を協議しているというのは「完全なフェイクニュース」とする声明を発表した。
「首相はイスラエルがフィラデルフィア回廊に留まると主張している。首相は交渉チームにそのように指示し、今週、米政府関係者にそれを明確に伝え、昨夜の安全保障閣僚会議で表明した」と述べた。
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