ニュース速報

ワールド

ローマ教皇、ロシア皇帝に好意的言及 ウクライナが批判

2023年08月29日(火)09時58分

 8月28日、ローマ教皇がロシアのサンクトペテルブルクに集った青年らへのビデオ講話で、ピョートル大帝のような過去の皇帝の継承者であることを忘れないよう呼びかけたことで批判を受けている。9日撮影のバチカンメディア提供写真(2023年 ロイター)

[バチカン市 28日 ロイター] - ローマ教皇がロシアのサンクトペテルブルクに集った青年らへのビデオ講話で、ピョートル大帝のような過去の皇帝の継承者であることを忘れないよう呼びかけたことで批判を受けている。プーチン大統領はウクライナ侵攻を正当化するための例としてピョートル大帝などを挙げている。

教皇は25日に行ったスペイン語の講話で即興でイタリア語に切り替え、「あなた方が偉大なるロシアの成人や王、(18世紀の皇帝)ピョートル大帝やエカテリーナ2世の偉大なロシア帝国の継承者であることを忘れないように」などと呼びかけた。

バチカンは26日に講話原稿を公表したが、最後の即興部分は含まれておらず、宗教関連サイトでこの発言の模様を映した動画が公開された。

ウクライナ外務省のニコレンコ報道官は「これは母なるロシア救済の必要性や霊的連帯など、ロシア政府が多くのウクライナ人殺害と市町村破壊の正当化の根拠としている帝国主義者のプロパガンダと正確に一致した発言だ。意識的かどうかにかかわらず、ロシアの慢性的な攻撃性につながっている大国願望をローマ教皇が公言したことは深く憂慮される」とフェイスブックに投稿した。

ウクライナ東邦カトリック教会の大司教も声明で、教皇の発言は「大いなる苦しみと心労」をもたらしたと指摘。「攻撃的な国々の新植民地主義的野望を触発する」恐れがあるとして、バチカンに説明を求めた。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=小反発、ナスダック最高値 決算シーズ

ワールド

トランプ氏、ウクライナ兵器提供表明 50日以内の和

ワールド

ウへのパトリオットミサイル移転、数日・週間以内に決

ワールド

トランプ氏、ウクライナにパトリオット供与表明 対ロ
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「史上最も高価な昼寝」ウィンブルドン屈指の熱戦中にまさかの居眠り...その姿がばっちり撮られた大物セレブとは?
  • 2
    真っ赤に染まった夜空...ロシア軍の「ドローン700機」に襲撃されたキーウ、大爆発の瞬間を捉えた「衝撃映像」
  • 3
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別「年収ランキング」を発表
  • 4
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    【クイズ】次のうち、生物学的に「本当に存在する」…
  • 7
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 10
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 5
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 8
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 9
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 10
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中