ニュース速報

ワールド

米国防長官、講演で中国に懸念 衝突回避へ対話を呼びかけ

2023年06月03日(土)15時56分

 米国のオースティン国防長官は6月3日、シンガポールで開催中の「アジア安全保障会議」(シャングリラ会合)で講演し、軍事的な危機管理に中国が真剣に関与していないと懸念を示し、衝突回避には対話が重要だと述べた(2023年 ロイター/Caroline Chia)

[シンガポール 3日 ロイター] - 米国のオースティン国防長官は3日、シンガポールで開催中の「アジア安全保障会議」(シャングリラ会合)で講演し、軍事的な危機管理に中国が真剣に関与していないと懸念を示し、衝突回避には対話が重要だと述べた。

米中関係は台湾問題やスパイ活動、南シナ海の領有権問題などを巡り、この数十年で最悪の状況にある。

オースティン長官は、米中の国防・軍事当局者による開かれた対話は紛争を防止し、アジア太平洋地域の安定を強化するために不可欠だと主張。「中国人民解放軍が危機管理のためのより良いメカニズムに真剣に取り組もうとしていないことを深く懸念している」と述べ、「話し合いの機会が増えるほど、危機や紛争につながりかねない誤解や誤算を避けることができる」との見解を示した。

中国の李尚福・国務委員兼国防相は、米国がシャングリラ会合に合わせて要請していたオースティン氏との会談を拒否していた。

米国防総省によると、李氏とオースティン氏は2日に握手を交わしたが、「実質的な交流」はなかったという。

李氏は4日に講演する。

オースティン氏は台湾問題に関して、米国は台湾の現状維持に「深くコミット」していると発言。「紛争は差し迫ったものでも必然的なものでもない。現在、抑止力は強力であり、これを維持するのが我々の責務だ」と述べた。

オースティン氏の発言に対し中国人民解放軍の高官は、南シナ海や隣接する海域における主権に議論の余地はないと改めて主張し、強く反発した。

*中国側の反応を追加しました

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、シリア制裁解除で大統領令 テロ支援国家

ビジネス

ECBの次回利下げ、9月より後になる公算=リトアニ

ワールド

トランプ氏、日本に貿易巡る書簡送付へ 「コメ不足な

ワールド

米政権がロス市提訴、ICE業務執行への協力制限策に
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とんでもないモノ」に仰天
  • 3
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。2位は「身を乗り出す」。では、1位は?
  • 4
    「パイロットとCAが...」暴露動画が示した「機内での…
  • 5
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 6
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引き…
  • 7
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 8
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 9
    飛行機のトイレに入った女性に、乗客みんなが「一斉…
  • 10
    顧客の経営課題に寄り添う──「経営のプロ」の視点を…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 7
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 8
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 9
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 10
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中