ニュース速報

ワールド

米国務長官、ロシアのウクライナ領掌握正当化する和平案を警告

2023年06月03日(土)00時11分

ブリンケン米国務長官は2日、訪問先のヘルシンキで行った演説で、ロシアによるウクライナの領土の掌握を正当化するような和平構想に対する警戒感を示し、「公正で耐久性のある」和平に向けた取り組みは説明責任と復興に対応したものでなければならないとの考えを示した。フィンランドで撮影(2023年 ロイター/Lehtikuva/via REUTERS)

[ヘルシンキ/ワシントン 2日 ロイター] - ブリンケン米国務長官は2日、訪問先のヘルシンキで行った演説で、ロシアによるウクライナの領土の掌握を正当化するような和平構想に対する警戒感を示し、「公正で耐久性のある」和平に向けた取り組みは説明責任と復興に対応したものでなければならないとの考えを示した。

ブリンケン長官は、向こう数週間から数カ月の間に何カ国かが停戦を呼びかける可能性があると予想。和平プロセスを長続きさせるためにはウクライナの「全面的な参加と同意」が必要で、ウクライナの復興と回復を支援するものでなければならないほか、ロシアがその一部を負担しなければならないとの考えも示した。

「単に戦線を凍結し、ロシアのプーチン大統領が(ウクライナから)奪った領土の支配を強化し、休息し、再武装し、新たな攻撃を可能にするような停戦は、公正で永続的な和平ではない」とし、このような停戦は「ロシアの領土収奪を正当化し、侵略者に報酬を与え、被害者を罰することになる」と警告した。

その上で、ロシアが「真の平和」について話し合う用意があれば、米国は対応すると表明。紛争勃発の可能性の低減につながる欧州の安全保障に関する広範な協議にも応じる用意があると語った。

また、米国はウクライナや他の同盟国と協力し、耐久性のある和平を巡るコンセンサスの構築に努めているとし、国連憲章の原則を順守している限り、いかなる構想も歓迎すると表明。「ブラジルや中国を含むいかなる国の取り組みも、公正で永続的な和平への道に役立つなら支持する」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国軍が台湾周辺で実弾射撃訓練、封鎖想定 演習2日

ワールド

オランダ企業年金が確定拠出型へ移行、長期債市場に重

ワールド

シリア前政権犠牲者の集団墓地、ロイター報道後に暫定

ワールド

トランプ氏、ベネズエラ麻薬積載拠点を攻撃と表明 初
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 5
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 6
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 7
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 8
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中