ニュース速報

ワールド

台湾の蔡総統がNYで講演、「米台関係かつてないほど緊密」

2023年03月31日(金)04時52分

台湾の蔡英文総統は、中米訪問の経由地である米国のニューヨークで支持者に対し、台湾と米国はかつてないほど緊密な関係にあると語った。30日、ニューヨークで撮影(2023年 ロイター/Jeenah Moon)

[ニューヨーク/ワシントン/台北 30日 ロイター] - 台湾の蔡英文総統は、中米訪問の経由地である米国のニューヨークで支持者に対し、台湾と米国はかつてないほど緊密な関係にあると語った。蔡総統が米国に立ち寄っていることに中国は反発しているが、これまでのところ、通常と異なる軍事行動は見られていない。

蔡総統は台湾と外交関係があるグアテマラとベリーズ歴訪を前に経由地の米国に29日に到着し、4月1日までニューヨークに滞在。中米訪問後にロサンゼルスに立ち寄り、マッカーシー下院議長と会談する可能性がある。

蔡氏は29日夜にニューヨークの在外台湾人を対象に行った非公開の講演で、台湾の経済、安全保障、外交成果に言及した上で、台湾は「アジアにおける民主主義の導き手」だと表明。経済と安全保障の協力で「大きな進展」があったとし、「台湾と米国の関係はこれまでになく緊密だ」と述べた。

その上で、米アリゾナ州に半導体受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が工場を建設する計画は、台湾の技術力を証明していると語った。

また、台湾は「大きな挑戦」に直面しているものの、孤立することはないと表明。兵器売却を含む米国の台湾との安全保障協定に謝意を示した。

関係筋によると、蔡総統は30日にシンクタンクのハドソン研究所で講演を行う予定だが、台湾の事実上の在米大使館の役割を果たしている駐米台北経済文化代表処によると、報道陣や一般市民には非公開という。

台湾の国防部(国防省)は、蔡総統が米国に到着した29日から30日にかけて中国軍機が台湾海峡の中間線を越えた形跡はないと発表。米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官も30日、記者団に対し「蔡総統の米国経由での移動に対し、中国の具体的な反応は見られていない」と述べた。

蔡総統が米国を経由するのは2016年の就任以来、今回が7回目。前回の経由は19年だった。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米当局が欠陥調査、テスラ「モデル3」の緊急ドアロッ

ワールド

米東部4州の知事、洋上風力発電事業停止の撤回求める

ワールド

24年の羽田衝突事故、運輸安全委が異例の2回目経過

ビジネス

エヌビディア、新興AI半導体が技術供与 推論分野強
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 2
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足度100%の作品も、アジア作品が大躍進
  • 3
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...どこでも魚を養殖できる岡山理科大学の好適環境水
  • 4
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 5
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 8
    ゴキブリが大量発生、カニやロブスターが減少...観測…
  • 9
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 10
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 4
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 7
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中