ニュース速報

ワールド

ロシア、ウクライナで新型レーザー兵器投入=ボリソフ副首相

2022年05月19日(木)08時12分

5月18日、ロシアのボリソフ副首相(軍事開発担当)は、ロシア軍がウクライナでの戦闘に次世代レーザー兵器を投入していると明らかにした。西側諸国がウクライナに大量の防衛兵器を提供する中、ロシアが実態がほとんど知られていない最新兵器を攻撃に利用していることが分かった。写真は5月9日、モスクワで行われた対独戦勝記念日の軍事パレードに出席するボリソフ副首相(2022年 ロイター/Maxim Shemetov)

[ロンドン 18日 ロイター] - ロシアのボリソフ副首相(軍事開発担当)は18日、ウクライナでの軍事作戦に、ドローン(小型無人機)などを攻撃する新型レーザー兵器を投入していることを明らかにした。西側諸国がウクライナに供与する大量の武器に対抗し、ロシアは実態がほとんど知られていない最新兵器を配備した。

ロシアのプーチン大統領は2018年に新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)のほか、水中原子力ドローン、極超音速兵器、新型レーザー兵器などの最新兵器を発表。新型レーザー兵器の詳細はほとんど知られていないが、プーチン氏は中世の僧侶で兵士だった「アレクサンダー・ペレスベット」にちなんで「ペレスベット」と名付けられたレーザー兵器について言及していた。

ボリソフ副首相はこの日、モスクワで開かれた会議で、ロシア軍はペレスベットをすでに広範に配備していると表明。ペレスベットは地表から1500キロ上空にある衛星の機能を停止させることができると明らかにした。

その上で、ロシア軍はペレスベットよりも強力にドローンなどを破壊できる兵器を保有しているとし、17日に実施された試験で5キロ先にあるドローンが5秒以内に燃焼したと表明。「ペレスベットで機能停止が可能だが、次世代のレーザー兵器では標的を燃焼させ、物理的に破壊できる」と述べた。

こうした新兵器をウクライナに投入しているかとの質問に対し「最初のプロトタイプがすでにウクライナで使われている」とし、兵器の名称は「ザディラ」であると明らかにした。

ザディラについてほとんど知られていないが、17年に国内メディアがロシアの国営原子力会社ロスアトムが開発に協力したと報じている。

ボリソフ副首相はまた、ニジニ・ノヴゴロド州のサロフを訪問したばかりだと明らかにした。サロフはソ連時代に「アルザマス16」として知られた核兵器開発の中枢。

ウクライナのゼレンスキー大統領はレーザー兵器の報道について、ナチスドイツが第二次世界大戦で敗北を阻止するために公開したいわゆる「驚異の兵器」を引き合いに出し、「ロシアは独自の『脅威の兵器』を見いだそうとしているが、これは軍事作戦が完全に失敗したことを明らかに示している」と述べた。

*システムの都合で再送します。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:アマゾン熱帯雨林は生き残れるか、「人工干

ワールド

アングル:欧州最大のギャンブル市場イタリア、税収増

ビジネス

米肥満薬開発メッツェラ、ファイザーの100億ドル買

ワールド

米最高裁、「フードスタンプ」全額支給命令を一時差し
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216cmの男性」、前の席の女性が取った「まさかの行動」に称賛の声
  • 3
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 6
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 7
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 8
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 9
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 10
    「非人間的な人形」...数十回の整形手術を公表し、「…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 9
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 10
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中