ニュース速報

ワールド

豪住宅価格、シドニーの都市封鎖でも上昇続く

2021年08月02日(月)14時01分

 8月2日、不動産コンサルタント、コアロジックが2日発表した7月の豪住宅価格は、前月比で1.6%上昇した。写真は建築中の家。シドニーで2017年5月撮影(2021年 ロイター/Jason Reed)

[シドニー 2日 ロイター] - 不動産コンサルタント、コアロジックが2日発表した7月の豪住宅価格は、前月比で1.6%上昇した。6月は1.9%上昇だった。

シドニーで新型コロナウイルスの流行に伴うロックダウン(都市封鎖)が導入されたが、同国では住宅の値上がりが続いている。価格の高騰で長期的には需要が落ち込む可能性もある。

7月の住宅価格は、前年同月比では16.1%上昇と、2004年以降で最大の上昇を記録した。在宅勤務への移行で戸建て住宅が18.4%値上がりした。

シドニーの住宅価格は、ロックダウンにもかかわらず、前月比2.0%上昇、前年同月比18.2%上昇。メルボルンは前月比1.3%上昇、ブリスベンは2.0%上昇、アデレードは1.7%上昇。

主要都市は1.6%上昇、地方部は1.7%上昇だった。

コアロジックのリサーチディレクター、ティム・ローレス氏は「住宅販売は過去5年間の平均を約40%上回っている。売却物件は過去5年間の平均を約26%下回っている」と指摘。

「需要と広告物件のミスマッチが、引き続き住宅価格に上昇圧力をかける主因となっている」と述べた。

不動産市場の過熱は、消費者の資産拡大と信頼感の改善につながっている。オーストラリア統計局によると、住宅の資産価値は1-3月期だけで4500億豪ドル増え、8兆3000億豪ドル(6兆0900億ドル)となった。

ただ、シドニーの住宅の平均販売価格は100万豪ドルを超えており、割高感が出ている。

ローレス氏は「住宅の資産価値の1カ月の増加分は、収入の1年間の増加分を上回っており、多くの人にとって住宅は手の届かないものになりつつある」と述べた。

超低金利が住宅購入の追い風になっているが、規制当局は銀行に対し、審査基準を緩めないよう警告している。アナリストは、市場の過熱が続けば、年内にも融資の規制が強化される可能性があると予想している。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:最高値のビットコイン、環境負荷論争も白熱

ビジネス

決算に厳しい目、FOMCは無風か=今週の米株式市場

ビジネス

中国工業部門企業利益、1─3月は4.3%増に鈍化 

ビジネス

米地銀リパブリック・ファーストが公的管理下に、同業
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ」「ゲーム」「へのへのもへじ」

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 6

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 7

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 8

    走行中なのに運転手を殴打、バスは建物に衝突...衝撃…

  • 9

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 10

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中