ニュース速報

ワールド

カナダなど40カ国超、中国に国連高等弁務官の新疆入り容認求める

2021年06月23日(水)09時34分

中国の新疆ウイグル自治区で100万人以上が不当に拘束されているとの報告について、40カ国以上が22日に共同声明を発表し、国連人権高等弁務官ミシェル・バチェレ氏の早急な自治区入りと調査を認めるよう中国に求めた。自治区のホータンで4月撮影。(2021年 ロイター/Thomas Peter)

[ジュネーブ 22日 ロイター] - 中国の新疆ウイグル自治区で100万人以上が不当に拘束されているとの報告について、40カ国以上が22日に共同声明を発表し、国連人権高等弁務官ミシェル・バチェレ氏の早急な自治区入りと調査を認めるよう中国に求めた。

国連人権理事会で共同声明を読み上げたのはカナダのレスリー・ノートン大使。声明にはオーストラリア、英国、フランス、ドイツ、日本、米国などが名を連ねた。

新疆ウイグル自治区では一部で拷問や強制労働も行われているとされる。中国はウイグル族を虐げているとの見方を完全否定。収容所については、宗教過激主義に対抗するための職業訓練施設だと説明している。

共同声明は「信頼できる報告では、新疆で100万人超が恣意的に拘束され、ウイグル族やその他少数民族に偏った監視が広がり、基本的な自由やウイグル文化への制限を示している」と指摘。「われわれは中国に対し、バチェレ高等弁務官など独立した監視団の即時の有意義かつ自由な新疆へのアクセスを認めるよう求める」とした。

ジュネーブの中国国連代表部の上級外交官Jiang Yingfeng氏は、共同声明の内容を否定し「政治的な動機」に基づいた干渉だと非難。

「われわれは、高等弁務官が中国、新疆を訪問することを歓迎する。この訪問はいわゆる推定有罪に基づく調査ではなく、交流と協力を促進するためのものだ」と述べたが、時期には言及しなかった。

共同声明では「国家安全維持法(国安法)下での香港の基本的自由悪化とチベットでの人権状況を引き続き深く懸念している」とも指摘した。

Jiang氏は、これについて「国安法制定以降、香港では混乱から法の支配への変化が見られている」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

利上げの可能性、物価上昇継続なら「非常に高い」=日

ワールド

アングル:ホームレス化の危機にAIが救いの手、米自

ワールド

アングル:印総選挙、LGBTQ活動家は失望 同性婚

ワールド

北朝鮮、黄海でミサイル発射実験=KCNA
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 4

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 5

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中